桂歌丸さんの原点

「笑点」でお馴染みの 桂歌丸さんですが、 落語家を志したのは10歳の時だといいます。

そして中学卒業を 待たずに師匠に弟子入り。

今回は、そんな歌丸さんの原点となるお話をご紹介します。

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☆ 芸の道、限りなし ☆

桂歌丸(落語家)
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中村吉右衛門(歌舞伎役者)

※『致知』2017年2月号
※特集「熱と誠」P10

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【中村】 
歌丸師匠が噺家になろうと思われたのは、
落語がお好きだったからですか。


【桂】 
そうなんです。
私は昭和11年生まれですが、
小学校4年生の時に
噺家になろうと決意しました。

戦後は何もない時代で、
笑いに飢えていたわけですよ。

唯一あったのがラジオ、
そこで週2回くらい
寄席の番組がありましてね。
昭和の名人たちが
聴衆をドッと笑わせている。

それを聞いて、

「ああ、これだな」
「俺の進む道は噺家以外にない」

と思いました。
もう一途でしたね。
あとは何にも考えなかった。


【中村】 
僅か10歳の時に、
生涯の道を定められたのですね。


【桂】 
私は3歳の時に父親を亡くし、
母親とも離れて暮らしていたものですから、
祖母に育てられたんですね。

それで祖母に

「小学校を卒業したら噺家になりたい」

と言ったら、

「みっともないから
 中学だけは行ってくれ」と(笑)。

それで嫌々学校に通っていましたが、
宿題もやらずに落語に
夢中になっていましてね。

結局、卒業を待たず、
中学3年の時に
噺家になっちゃったんです。

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