2018年02月15日
“国民教育の師父”森信三先生。
その森先生による不朽の名語録
『下学雑話』が、このたび弊社より
新装版として発刊されます。
・真の学問とは
・生涯の工夫
・言葉は人なり、
・人間的教養
・老いて老いざる
・師弟の間
・言霊
・真の生き甲斐
・生涯稽古
・修養無限
・捨身
……など、459もの珠玉の言葉をまとめた語録集。
その中で、森信三先生は、日常生活や職場における
さまざまな「心得」について具体的に説かれています。
心に残る言葉のいくつかをご紹介します。
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■提出期限心得
すべて提出物の如きも、提出期日に無理なき様にし、
また都合によっては、受付け開始日とメ切日とを別にし、
その間、余裕をおくも一法ならむ。
また提出する側としては、メ切日より幾日か前に、
自己のメ切日を定め置くがよし。
かくすれば世の中急に明るくなりて、
生活もつねに余裕を生ぜむ。
■読書心得
自己の体系の未だ定まらざる間は、
多くの異体系の書を読むは、唯迷いを増すのみ。
但し非体系的なる書は、多読必ずしも妨げずというべし。
されど型とか枠を主とする体系的書籍の多読は、
未定見の間は最も害あり、慎しむべし。
■平生の心得
他人から良書を尋ねられて「サァ」と考え込み、
それからあれも良し、これも良しと
並べ立てる人の言は信ずるに足らず。
人間は平生の用意が、
かかる咄嗟の間に表われるものなり。
■宴会心得
宴会ほど注意を要する処なし。
ある意味では、式場以上に内的緊張を要せむ。
然るを常人多くは、宴会は最も放心の場所と心得。
これ過ち多きゆえんなり。
宴会については、詳しくは露伴の随筆集
『長語』中の「宴会」の一文を見るべし。
この一文のみでも、文豪の名に背かずというべきか。
■電話心得
目上の人を電話口へ呼ぶは、原則としては
避くべきことなり。されど実際にはそうもならぬ場合あり。
その際にはかかる失礼なことは、
元来出来ぬものと心して、言葉づかいを丁重にすべし。
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国民教育の師父が遺した不朽の名語録459
『下学雑話(かがくざつわ)』
森信三・著
定価=本体1,500円+税
https://www.amazon.co.jp/dp/4800911710/