北尾吉孝さんと『修身教授録』

SBIホールディングス社長・北尾さんが人生の指針とされている
座右の書に、森信三先生の講義をまとめた『修身教授録』があります。
本書を紐解くうちに、北尾さんは大成する人、
しない人にはある共通点があることに気がつきます。
両者の差はどこにあるのでしょうか。



北尾 吉孝(SBIホールディングス社長)
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※『致知』2018年4月号
※特集「本気・本腰・本物」P40
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森先生の思想哲学の根底に流れるものに「相対観からの解脱」という考え方があります。

私たちは、地位や名誉、財産などあらゆる問題を
他の人と比較しながら相対の基準で生きています。
その結果、嫉妬心や憎しみなど様々な感情が生まれて自他を蝕んでいきます。

ところが、比べることをやめることで「絶対最上」になると森先生はおっしゃっています。
自分が尊い人身を天から与えられた唯一無二の最上の存在であることに気づくというのです。

天という大きな視点から見たら、自分は賢いと思っている人も、
愚かだと思っている人も大した差はありません。
仏教ではこれを「賢愚一如」と言います。
自分が絶対最上の存在であるとすれば、他人を気にすることなく、
自分が為すべき務めを、ただ淡々と一所懸命にやりさえすればいいのです。


(撮影/山下 武)

私の事業家としての経験から見ても、
相対観で物事を判断する人は決して大成することがありません。
自分という小さい枠に囚われてしまって、大きな視野を見失ってしまうのです。
逆に、私利私欲を捨ててでも社会全体をよくしていこうという大欲を持つ人材の中にこそ
真に大成する人物がいると言ってもよいでしょう。
森先生も「捨欲即大欲」の章で次のように述べられています。

「人間が真に欲を捨てるということは、意気地なしになるどころか、
それこそ真に自己が確立することであります。否、さらにそれによって、
天下幾十万の人々の心の中までも伺い知ろうという、大欲に転ずることであります」
(『修身教授録』)

そういえば、過日、証券会社やメーカーの社長と会食した際、
「働き方改革」に話が及びました。
私は、できるだけ楽に仕事をして報酬だけはしっかりもらおう、
という昨今の風潮にかねがね強い疑問を抱いている一人で、
そのことを率直にお話ししたのですが、
その時、頭を過ぎったのが『修身教授録』の次の一節でした。……

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