俺がもっといいご馳走をしてやる

『致知』6月号には
94歳の書家・吉田鷹村さんに
ご登場いただいています。

「前進、前進、また前進」

「人生は前進あるのみ」

そう力強く語る吉田さんの
気迫に圧倒されそうですが、
吉田さんは若い頃。
田邊古邨という書家に出会い
生涯の師と仰がれました。

ここでは、
その田邊古邨さんに大きな影響を与えた
お父様の生き方をご紹介します。


────────[今日の注目の人]───

★ 九十四歳、まだ前進せねば ★

吉田 鷹村(書家)

※『致知』2016年6月号【最新号】
※特集「関を越える」P12

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5月26日

田邊先生のお父さんは
第一回の帝国議会議員で、
板垣退助の配下で自由民権運動を
推進した人でした。

先生の話によると、
議員になるのに一つ年が足りなかった。
しかし、


「俺でなきゃ駄目だ」


と役場に行って、
戸籍に墨汁をぶっかけて、
文字を分からなくした。
そのくらいの強者でした。


それだから、議員になった後も、
国事に奔走し天下国家のために
私財を使うんですね。

家は貧乏のどん底で、
先生の少年時代は
正月に餅すら買えなかった。

お母さんが針仕事で一家を支え、
徹夜をしたこともあったそうですが、
頑固者のお父さんは


「おまえら、餅を食べたいんだろう? 
 俺がもっといいご馳走をしてやる。
 こっちへ来い」


と言って子供たちを並べて
『論語』の講義を始める。……



※こんな気骨のある日本人が
 かつてはいたのですね。
 吉田さんのインタビューには、
 このほかにも様々な人物の
 ユニークな逸話が紹介されています。