2017年04月30日
先月17日(月)に旅立たれた、
本誌でお馴染みの渡部昇一先生。
本日は、絶筆となった最新号の
記事の一部を皆さまにご紹介します。
───────「今日の注目の人」───
渡部 昇一(上智大学名誉教授)
※『致知』2017年6月号【最新号】
※連載「二十代をどう生きるか」P100
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人生の恩師との出逢いも忘れられない。
高校時代に英語の授業を
担当していただいた
佐藤順太先生である。
佐藤先生は知識を愛する人
という表現がぴったりな方で、
私は知らず知らずのうちに
知識欲を掻き立てられ、
身を乗り出して
佐藤先生の授業を聴いていた。
卒業の際、遊びに来いと
お誘いいただき、数名の同級生と
ご自宅に伺ったことがある。
私はそこで生まれて初めて
本物の書斎を見た。
天井まで書棚があり、
数々の和綴じの本や
『小泉八雲全集』の初版、
イギリスの百科事典24巻
などが収蔵されている。
とても山形県の田舎の
一教師の書斎とは思えなかった。
佐藤先生は着物姿でゆったり
書斎に腰を掛けながら、
いろんな話をしてくださった。
その時、私はこういう
老人になりたいと強く思った。
一生の目的が定まった瞬間だった
と言っても過言ではない。
まさしく佐藤先生に痺れたのである。
ただ不思議なことに、
他の同級生は誰一人痺れなかった。
それどころか、後年同窓会で集まると、
「そういえばそんな先生もいたな」
と言う人が大半だった。
もちろん彼らはそれぞれ他の
先生の影響を受けたのだろう。
だが、同じ先生に学びながら、
全く影響を受けない者もいれば、
私のように揺るぎない
影響を受けた者もいる。
受け手の求める心や
感性の如何によって、
そこから学び取れる質と量は
天と地ほどの差になる、
と言えるのではなかろうか。
私はあの日以来……
※この続きは本誌でじっくりと
味わっていただければ幸いです。
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全国の『致知』読者から届いた声
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国難に立ち向かう知恵を
授けてくれる書だと思っています。
人間として多くの方々の
歩んでこられた道をもっと
知りたいし、後から来る人にも
伝えたいと思っています。
───菊池真由美さん/茨城県