中西輝政さんの「時流を読む」

北朝鮮情勢がこれまでにないほど緊迫化していることは言うまでもありません。
しかし、日本は北朝鮮がいつ、どのようなタイミングでミサイルを撃ちこんでくるのか、
といった肝心な情報をアメリカを通してしか獲ることができないといいます。
いま日本に大切なことは何でしょうか。

中西 輝政(京都大学名誉教授)
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※『致知』2017年12月号
※連載「時流を読む」P116

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現在の日本にインテリジェンス能力が著しく欠如していることは、
いま直面している北朝鮮問題にも如実に出ています。

言うまでもなく、北朝鮮がいつ、どこに、
どのようなタイミングでミサイルを撃ち込んでくるか全く予断を許さない状況に、
いま日本は直面しています。



ところが、いかんせん日本政府は国民の生命に関わるその肝心要の
北のミサイルに関する情報をアメリカを通じてしか得ることができないのです。
 
北朝鮮がアメリカ本土まで届く核弾頭を積んだICBM(大陸間弾道ミサイル)を
開発しつつあるいま、アメリカが何をおいても、まず取り組むのは、
米本土の防衛であり、グアム、ハワイなどにいる自国民の安全です。
つまり日本の安全は構っていられなくなる可能性があります。


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私などは、過去何十年と言い続けてきたことですが、
いつまでもアメリカに依存してばかりいると、
いざという時に、アメリカから見放されたら、
この国は一瞬にしてすべてを失うことになります。

いま最も恐るべきことは、このことが現実になる可能性が、
いわば水平線上に姿を現したということなのです。
そんな時代に何より大切なことは、当面の対処とは別に、
防衛・安全保障においても、はっきり日本の自立を目指す方向へと、
堅実かつ明確に転換してゆくことなのです。
 
そして、その自立の最も重要な柱が「早く見つける」ための
情報・インテリジェンス能力の向上なのです。
当面の北朝鮮をめぐる危機に対しても、
ミサイル発射の情報を的確に入手したとしても……、