一流の人は、どこか違う

仕事論

吉兆──
言わずと知れた一流の料亭です。

その創業者は
湯木貞一(ゆき・ていいち)さん。

吉兆を一代で名門に育て挙げた人だけに
やはりどこか人と違うところがありました。

今回『致知』に登場いただいた
人気料理人のお二人は、
ともに湯木さんの元で学びました。

人育ての名人・湯木さんとは
どんな人だったのでしょか。

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★ 日本料理の道を極める ★

石原 仁司(日本料理・未在店主)
    ×
岩本 光治(虎屋 壺中庵店主)

※『致知』2016年6月号【最新号】
※特集「関を越える」P58

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【岩本】
大ご主人(創業者)は、
料理の味云々(うんぬん)を
どこか超えたところがありましたね。
会社や店の全体を見て
総合プロデュースをしながら、
お客様にいま
何をして差し上げるべきかを
いつも考えられている。

お元気な頃は、
調理場の上に座布団を置いて、
そこから厨房を
見渡しておられました。

流れを悪くするような動きがあると
「何でいまこんなことを
やっているんや」
とよくお怒りになったものです。
【石原】 
そういうちょっとしたひと言が
我われにはとても勉強になりました。

大ご主人は
少しせっかちなところがあって、
自分の思いどおりに
いかないことがあると、
イライラされる。
近くにいてそのことが
よく分かりました。

それはやはり我われは
お客様相手の仕事ですからね。
こちらのペースでやっていたのでは、
お客様には満足は与えられない。
そういう気持ちが先に立って
気がせいていらっしゃったのでしょう。
【岩本】 
お客様のことを第一に考える
大ご主人からしたら、
私たち料理人は駒ですよ。というか、
駒にならなくてはいけないんです。

手間な仕事を指示されて、
それが献立に使われない時もある。
やっている本人は
「あれだけ一所懸命にやったのに」
と不満を感じてしまうんだけれども、
仕事全体の流れの中で、
そういうことも当然あり得る、
ということが
だんだんと分かってくる。
【石原】 
全くおっしゃるとおりで、
特に修業時代の料理人は
本当に一つの歯車でしかないわけです。

自分の目の前の
仕事のことしか考えられない。
それが徐々に
視野を広く持てるようになると、
お客様の座席のことまで
手に取るように分かるようになる。

だから、
僕は吉兆の料理長時代から……

 

※この後、お二人は湯木さんか
 学んだことをどう実践して
 いったかに話は移ります。

 一流の料理人はいかにして
 生まれたのか、
 そのプロセスに迫ります。

 

 

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