マザー・テレサの小さな奇跡

仕事論感動する話


何気ない言葉や振る舞いが時に、
相手の人生を大きく
変えることがあります。

シスターとして活躍される
鈴木秀子さんのお話に
耳を傾けてみましょう。

───────「今日の注目の人」───

☆ 何気ない言葉が人生を甦らせる ☆

鈴木 秀子(文学博士)

※『致知』2017年3月号【最新号】
※連載「人生を照らす言葉」P110

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アメリカ人のある神父の話です。

彼は若い時、インドの
マザー・テレサの
「死を待つ人の家」で
ボランティアに従事していました。

そこでの彼の役割は、
風呂に入れられた病人を
バスタオルで受け止めることでした。

ところが、始めたばかりの頃、
痩せこけて体が変形した男性が
目の前に現れ、思わず
後ずさりしてしまうのです。


後ろに並んでいた
ボランティアの人から
強く背中を押され、
勇気を振り絞って
男性を抱きかかえました。

怖じ気づく神父を
見るに見かねたのでしょう。
マザーが代わりに男性を受け止め、
体を拭いながら


「あなたは大切な人です。
 あなたは神様から許されて
 愛し抜かれています」


と静かに語り掛けました。


死人同然の男性がうっすらと
目を開いて微笑みを浮かべたのは、
まさにその時でした。


「たとえ死の間際であっても、
 憐れみや同情ではなく
 一人の人間として
 対等に接してくれる人が
 側にいるだけで、
 人は温かい愛に満ちた心に
 生まれ変わることが
 できるのですね」


神父は私に
このように話してくれました。

マザーの何気ないひと言によって
人が甦っていく瞬間を
目にしたことは、神父にとって
終生忘れがたい出来事であった
ことは間違いありません。


マザーが死にゆく
男性に施したのは……



※さりげない優しさの積み重ねの上に
 よき人生があることを、
 鈴木先生はこの連載で
 伝えられています。
 続きは最新号でお読みください。