2017年02月20日
長崎には江戸時代から続く
松翁軒というカステラの老舗があります。
創業以来、職人一人ひとりが
手作業でカステラを作ることを
守り続けています。
十一代目当主の山口喜三さんに
伝統を守り継ぐ意気込みを
語っていただきました。
───────「今日の注目の人」───
☆ 正しく受け継ぎ、進化させて伝える ☆
山口 喜三(松翁軒十一代目当主)
※『致知』2017年3月号【最新号】
※連載「私の座右銘」P96
───────────────────
松翁軒の歴史を振り返ると、
老舗だからといって
単に伝統を守ってきただけではない
ことが分かります。
伝統を守りながらも、
常に新しいカステラを
作り続けてきたのです。
江戸時代には「五三焼」という
高級カステラ、
明治年間には
後に長崎の春の風物詩ともなる
「桃カステラ」や、
チョコレート味の「チョコラーテ」
というように、
先代たちは従来のカステラの
さらなる品質向上に努めつつ、
その時々に新たな商品を創出して
カステラの可能性を広げてきました。
十代目当主の父は、
カステラのルーツを探る旅を
フィールドワークとして、
その成果を
『カステラの故郷 イベリア半島紀行』
にまとめ、さらに平成七年には、
長崎の文化や食文化を扱う
『よむカステラ』という
小冊子も発行しました。
この冊子は私が発行人を引き継ぎ、
現在に至るまで発行し続けています。
私もまた、
そうした先代たちの思いを受け継ぎ、
カステラを焼けるようになりたいという
ポルトガルの菓子職人を受け入れ、
指導を担当したり、
戦前に店頭から姿を消していた
五三焼カステラを復活させたり、
「カステラ文化研究会」を発足させたりと、
様々な取り組みに挑戦してきました。
また、平成二十四年には、
坂本龍馬が残した『雄魂姓名録』に
記されていたレシピをもとにして
「龍馬のカステラ」を再現し、
研究会で発表しました。
私が父からバトンを受けて、
平成二十一年に十一代目当主となった時、
父は一番大切なこととして……
※当主となった山口さんに
先代は何を教えられたのでしょうか。
詳しくは誌面をご覧ください。