「もうなんにでもなっちまいな」


* あなたの人間力をグンと高める *
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致知出版社の《人間力メルマガ》 2017.1.11


歌舞伎役者の中村吉右衛門さんは、
一度だけ歌舞伎役者を辞めたいと
思ったことがあるそうです。

吉右衛門さんはなぜ
歌舞伎の世界から離れずに
踏み止まったのでしょうか。

落語家・桂歌丸さんとの対談の中で
そのこと話されています。

───────「今日の注目の人」───

☆ 芸の道、限りなし ☆

桂歌丸(落語家)
  ×
中村吉右衛門(歌舞伎役者)

※『致知』2017年2月号≪最新号≫
※特集「熱と誠」P10

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【桂】 
旦那は道が定められているだけに、
若いうちは随分
お悩みになったんじゃありませんか。


【中村】 
そうですね。
初代吉右衛門が亡くなった時、
私は10歳。

既に跡継ぎとして
舞台に立っておりました。
ところが、その時の新聞に、
中村吉右衛門はあまりにも
偉大であるため、止め名にして
誰にも継がせないほうがいいと、
デカデカと書かれたことがあるんです。


ああ、僕は継がないほうがいいのかなと。
そのショックというか、
精神的なダメージは、
いま振り返ってみても、
これまでの人生の中で
一番大きかったですね。

それと、襲名する前に、
一度だけ歌舞伎役者を辞めたいと
思ったことがありました。


【桂】 
それはなぜですか。


【中村】 
実は、早稲田大学の文学部時代に、
外国の女性に惚れまして、
その人の国に行ってしまいたいと
思ったんです(笑)。


【桂】 
若気の至りですね(笑)。


【中村】 
それで実父に相談しまして、
辞めたいと思うと打ち明けたら、

「もうなんにでもなっちまいな」

と言って、くるっと後ろを向いた。

その背中を見た時に、……



※『致知』最新号はこのほかにも
 吉右衛門さんのエピソードが満載です。