38年間、ただ願うこと


『致知』3月号の特集テーマは
「願いに生きる」

人は様々な願いに生きていますが、
北朝鮮に拉致されためぐみさん
帰国を願う横田夫妻もまた、
長年にわたって願いに生きてこられました。

突然、娘が他国にさらわれて38年──。
「一日千秋」
という言葉がズリシと胸に響きます。

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絶対に諦めない心



横田滋(拉致被害者家族)

   ×

横田早紀江(拉致被害者家族)

   ×

佐藤佐知典(中学校教諭)

 




※『致知』2016年3月号

  特集「願いに生きる」

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【早紀江】

私は政治家の皆様によく言うんですね。

?

「皆様のお嬢様がこうなってしまったら、

 どうなさいますか。

 考えていただけますか」と。


黙って聞いていらっしゃいますけど、

本当にそうなんですよ。


佐藤先生が「いのちの授業」

をされているように、

命は本当に掛け替えのないもので、

その命が不当にどこかに

連れて行かれているとしたら、

何はさておき引っ張って

連れて帰らなきゃいけないんです。


それが政府の役割ではないですか。


私たちもいますぐにでも

船で乗り込んでいきたい気持ちです。


めぐみだけでなく、

被害に遭われた方がもっと

たくさんいらっしゃるわけですから。



【佐藤】

それだけの強い覚悟をお持ちなんですね。



【早紀江】

私は偽の遺骨が帰ってきてから

特にそう思うようになりました。


本当に死んでいるなら、

わざわざ別人の骨を送る

必要なんかないわけでしょう。


だから、生きているのは

間違いないんです。



【滋】

めぐみの遺骨といわれていた

ものをDNA鑑定すると、

よその男性の骨でした。


日本の技術ではいつ頃亡くなって、

どうやって焼却されたか

ということまですべて

分かるんですね。


それからというもの北朝鮮は

拉致の真相究明に協力することが

なくなりました。


「拉致問題は終わった」という

話になってしまったんです。



【早紀江】

ひょっとしたらめぐみは

酷い目に遭っているかも分からない。


だけど生きていると

私たちは確信しています。


生きている間に日本の土を

踏ませてあげたい。


この国が自由なんだと思わせてあげたい。

それだけなんですよ、

私が願っているのは。



【佐藤】

そういうご夫妻の思いを体して、

私も生徒たちには

?

「何事も絶対に諦めるな。

 たとえ結果的には負けても、

 それでもなお諦めるな」


と言っています。

?

私は生徒たちから

「生きるって何?」

とよく質問を受けるんです。


簡単で難しい質問ですが、

私がご夫妻から教えられたのは、

たとえ絶望的と思われる状況でも、

そこから一筋の希望を

見出すことでした。


尽きるところ、それが生きる

ということだと思います。


?

そして、そういう生き方をしていれば、

平凡に生きられることが

どれだけありがたいか、そのことに

感謝できるようになると思うんです。


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『致知』3月号のテーマは
「願いに生きる」



 

 

 



「かくて世紀の偉業は成し遂げられた」

 片岡一則(東京大学大学院教授)
  
 ・  ・  ・  ・  ・


 極小のマシンが体内の病気を診断し、
メスを入れずに治療してしまう――。


 半世紀前、SF映画で描かれた
夢のような世界がいま
現実のものとなりつつあります。


 その正体は、特殊な機能が
組み込まれた高分子の集合体
「ナノマシン」です。


 既に抗がん剤を内包した
2種類の「ナノマシン」は
臨床試験の第Ⅲ相に入っており、
これらは副作用がなく、
耐性がんや転移がんにも
高い効果を発揮する。


 そんな人類の未来を変える
 新薬を生み出した
 東京大学大学院教授・片岡一則さんに、
 これまでの挑戦の軌跡と
 研究開発に懸けた執念と創意を
 お聞きしました。


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