2026年05月31日
2019年6月に第一刷が出版された『スイッチ・オンの生き方』。遺伝子工学の世界的権威・村上和雄氏の没後5周年に当たる本年、新装版として蘇りました。村上氏が「私の五十年の遺伝子研究の総決算書であり、また新たな挑戦への決意書」として位置付けた本書の中身をWEBchichi限定で、一部抜粋してご紹介します。
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遺伝子はすごい!
生命の群れ
いのち37兆の細胞が寄り集まって私たちは生きています。37兆という数は、おおよそ地球の全人口の5,000倍。つまり、地球の全人口の約5,000倍の生命が私たち一人ひとりの体内に宿っている。しかもその膨大な生命の群れは、互いにぎっしりと隣接しながら、ケンカもしないし、乱れることもない。これはすごいことですね。
科学の原理を超えるもの
37兆の細胞たちは、見事に調和して、それぞれ自律的な生命を営みながら、互いに助け合って組織をつくり、臓器をつくって、個体を生かしています。これは、科学の原理を超えた、生命の奇跡といってもいい出来事です。
大百科事典3,200冊分の遺伝情報
私たち人間が持っている遺伝情報は、1ページ1,000文字で1,000ページある大百科事典3,200冊分にも匹敵するといわれるほど膨大です。
米粒60億分の1の極小スペース
驚くべきことに、そのすべての情報が、一粒の米を六十億に分けたぐらいの極小スペースに入っているのです。電子顕微鏡でも見えないようなところに、万巻の書物が書き込まれているのです。
ヒトの能力は99.5%同じ
理性的に考えると、人間と猿は偏差値が大きく違います。だから人間と猿との間には大きな差があるし、同じ人類だってノーベル賞をもらう人ともらわない人との間には大きな差があります。しかし人間の全遺伝情報(ゲノム)の差は、ノーベル賞をもらう天才と普通の人を比べると、わずか0.5%の差しかありません。遺伝子のレベルでみれば、人間は九九・五%同じだということです。こうなると、 もう差といえるほどのものですらありません。そこに差があることは確かですが、ごくわずかなものでしかないのです。
(本記事は『スイッチ・オンの生き方 新装版』(村上和雄・著)より一部を抜粋・編集したものです)
◇村上和雄(むらかみ・かずお) ◎各界一流プロフェッショナルの体験談を多数掲載、定期購読者数No.1(約11万8,000人)の総合月刊誌『致知』。人間力を高め、学び続ける習慣をお届けします。※動機詳細は「③HP・WEB chichiを見て」を選択ください
昭和11年奈良県生まれ。38年京都大学大学院博士課程修了。53年筑波大学教授。平成8年日本学士院賞受賞。11年より現職。23年瑞宝中綬章受章。著書に『スイッチ・オンの生き方』『人を幸せにする魂と遺伝子の法則』『君のやる気スイッチをONにする遺伝子の話』『〈DVD〉スイッチ・オンの生き方』『〈CD〉遺伝子オンの生き方』(いずれも致知出版社)など多数。令和3年4月逝去。









