2025年04月20日
◎各界一流プロフェッショナルの体験談を多数掲載、定期購読者数No.1(約11万8,000人)の総合月刊誌『致知』。人間力を高め、学び続ける習慣をお届けします。山形県を拠点にサイバーセキュリティ・ネットワーク事業を展開する「ハイテックシステム」。売上目標なしで経常利益を伸ばし続け、指示なしで社員が各プロジェクトを主体的に進行。心に始まり心に終わる、ネットワークと人の心をつなぐ感動経営を実現しています。その発展の背景には、『致知』をテキストにした社内勉強会「社内木鶏会」がありました。34年前に同社を創業し、人間学の学びを経営に活かしてきた土屋浩さんに、これまでの歩みを振り返っていただきました。
(本記事は『致知』2024年1月号 「社内木鶏会で我が社はこう変わった」を一部抜粋・編集したものです)
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モノづくりは人づくり 人づくりは心づくり
私が弱電製造業を営む家業の立て直しに奔走した後、山形県でIT事業を手掛ける当社を起業したのは1991年、30歳の時でした。
創業当初は社員教育は疎か、経営理念さえなく、技術力があればうまくいくと思い込んでいました。ところが、いつしか社員との間に溝が生まれ、トラブルが相次ぐ悪循環に陥り、頭を抱えるようになったのです。
そんな時に取引先の社長さんから渡されたのが、倫理法人会の発行する『職場の教養』でした。誌面の一言一句に感銘を受け、会社をよくするにはやり方ではなくあり方を学ばなければならないと、経営哲学を貪欲に学ぶようになりました。
そして倫理法人会や稲盛和夫氏に学ぶ盛和塾に参加する中、『致知』に巡り合います。
学びに飢えていた私だけに、人間学の学びに大いに共感しました。さらに学びを深めるにつれ、お客様の幸せの実現には、社員の物心両面の幸福を追求することが不可欠だと思い至ったのです。
「モノづくりは人づくり、人づくりは心づくり! 我われの製品は本気の仲間の社員である」という考えの下、経営計画書で方針を明確に定め、挨拶・掃除・朝礼・感謝・素直の五つの基本の実践をはじめとした心の経営にシフトすることで、事業は次第に軌道に乗っていきました。
そんな折、とある企業の木鶏会に参加する機会があり、その素晴らしさを実感。「自社でも導入したい!」との思いを強く抱き、今度は数名の社員を連れて参加したところ、木鶏会実施企業の方々の人柄や感想文に衝撃を受け、社員が一人また一人と感化されていったのです。そして「社長、やりましょう」という社員の一声をきっかけに、2014年、全社員で社内木鶏会を導入しました。
社員が一生幸せに暮らせる会社をつくる
貪欲に学び取ってほしいとの切なる願いを込め、全社員の自主購読での導入でしたが、特に反発もなく、スムーズに木鶏会を開始できました。
木鶏会の醍醐味は、お互いのよいところを褒め、認め合う美点凝視です。当社ではITという仕事柄、社員が一人で作業することが多く、一所懸命ではあるものの、同僚の仕事には無関心という雰囲気がありました。しかし、木鶏会で膝を突き合わせながら感想文を述べ合い、美点凝視で対話を重ねることで、心の距離がグッと縮まったのでしょう。
仲間の個性や本心を受け入れ、思いやる心が少しずつ芽生えていったのです。
この変化は日々の業務にも着実に現れ、トラブルが発生した際、私が声を掛けなくとも、社員が一致団結して問題解決に当たるようになりました。木鶏会を通じて、仲間のために貢献するという社風が浸透していることを感じます。また、木鶏会は社員が自主的に運営し、地域貢献の一環として近隣の高校教師や生徒、御父兄にも参加していただき、人間学の学びを共有しています。
「人間の心は庭のようなもの」というジェームズ・アレンの言葉のように、心にはすぐに雑草が生い茂ります。その雑草を抜き、強固な根っこを養うのが、まさに『致知』の学びだと思うのです。
先師先達の体験談から学び、生きる糧にしていく。「先心後技」に基づく学びの積み重ねが皆の心を一つにし、一人ひとりの能力や個性を掛け算できる理想の組織に繋がっていくと実感します。
私の夢は社員が一生幸せに暮らせる会社をつくることであり、その実現がひいてはお客様や地域に喜びをもたらすと信じています。そのために今後も『致知』に学び、木鶏会を広げていく一心です。
◎ハイテックシステムは、6月21日(土)開催の第13回社内木鶏全国大会に出場します!
今年で13回目を迎える社内木鶏全国大会。社内木鶏実施企業1,380社超の中から、優秀な成果を挙げた企業様が成功事例を発表。全国の実施企業&学校と出逢える、感謝と感動、交流の場です。どなたでもご参加いただけます。皆様のご参加、心よりお待ちしております!!
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