2025年03月28日
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就職人気ランキングで1位に選ばれる大和証券。かつてそのランキングは100位以下だったそうです。グループ本社名誉顧問である鈴木茂晴さんが社員の意識を変えるまでの取り組みについてお話しされています。(本記事は月刊『致知』2017年8月号の記事より一部抜粋・編集したものです)
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15~16%の社員の意識を変えると、組織が変わる
〈野本〉
鈴木さんも社長、会長として大和証券を随分発展させてこられましたね。
〈鈴木〉
私は社長を7年、会長を6年務めて、今年(2017年)4月に最高顧問に就任しました。
その間、従来の証券会社のイメージや働き方を変えるべく、常に改革に取り組んできたんです。
中でも働いている社員のマインドの変化は大きかったんじゃないかと思います。
〈野本〉
マインドの変化ですか。
〈鈴木〉
例えば、営業の人間だとね、「本部の人間はいいな」って言うんですよ。
営業は厳しくて苦労が多い割には陽が当たらない、何とかここから逃れて本部に行きたいみたいな発想をみんな持っていた。
言ってみれば、被害者意識です。
これはもうセールス会社としては最悪ですよ。
それで、この会社はセールスが支えているんですよと。
営業が機関車であり、花形なんだという意識を強く植えつけ、誇りを持って働いてもらうために、昇給や昇格の待遇を手厚くしました。
私は在任中に浸透できないんじゃないかと思っていたんですけど、意外と早かったですね。1年半から2年で変わりました。
(中略)
改革も最初はなかなか進まないんだけど、15~16%を超えてくると、急にバーッと動くってことがその時初めて分かったんです。
〈野本〉
15~16%の社員の意識を変えると、一気に組織全体に沁みわたっていくと。
〈鈴木〉
そうそう。一気に変わると思います。
〈野本〉
大和証券はいまや働きたい会社ナンバーワンですものね。
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◇ 鈴木茂晴(すずき・しげはる)
昭和22年京都府生まれ。46年慶應義塾大学経済学部卒業後、大和證券入社。引受第一部長、専務取締役などを経て、平成16年大和証券グループ本社取締役兼代表執行役社長、大和証券代表取締役社長。23年大和証券グループ本社取締役会長兼執行役、大和証券代表取締役会長。29年日本証券業協会会長に就任(令和3年まで)。令和3年大和証券グループ本社名誉顧問に就任。
◇野本弘文(のもと・ひろふみ)
昭和22年福岡県生まれ。46年早稲田大学理工学部卒業後、東京急行電鉄(現・東急)入社。63年グループ会社である東急不動産に出向。平成13年事業戦略推進本部メディア事業室長、16年グループ会社でケーブルテレビ事業を行うイッツ・コミュニケーションズ取締役社長を経て、19年東京急行電鉄取締役。23年4月より取締役社長に就任。30年より取締役会長。東急グループ代表も務める。