2025年02月05日
◎最新号申込受付中! ≪人間力を高める2025年のお供に≫日本の歴史、伝統文化、精神性に対する深い理解と共感を基に、保守論客として多くの著作と積極的な提言を続けている麗澤大学国際学部准教授のジェイソン・モーガン氏。モーガン氏と日本の出会いを振り返っていただきながら、日本が世界のリーダーになっていく大きな力となると確信したという日本の伝統文化、精神性について語っていただきました。
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日本の未来は英霊の心にある
<モーガン>
私と日本との出会いは幼少期にまで遡ります。
近所にアメリカ人と結婚した日本人女性が住んでおり、幼い私を随分可愛がってくれたのです。この一人の優しい女性が、私の中で日本を代表する存在となったのでした。
また、祖父は占領軍の一員として日本に駐留した経験がありましたが、上陸する前は殺されると覚悟していたけれども、逆に日本人に歓迎され、優しくしてもらった、普通の国じゃないと私に語ってくれました。
日本によいイメージを抱いて育った私は、大学でも日本人留学生と友人になり、彼の勧めで1999年21歳の時に、1か月ほど日本にホームステイすることになりました。岐阜県の家族が受け入れてくださったのですが、まるで私を本当の息子のように温かく扱ってくれ、感動したことをいまでも覚えています。
アメリカはもちろん、他の国の人とも、キリスト教の博愛精神とも何か違う、「おもてなしの心」を感じたのです。
以後、私は日本のことをもっと知りたい、見習いたいと、アメリカや中国、日本の大学を行き来しながら研究を続け、現在に至ります。いま私は47歳ですが、祖国アメリカよりも日本とのかかわりの方が深くなってきました。
その中で、私は特に縄文時代から連綿と続いてきた日本の伝統文化、精神性の素晴らしさに魅せられていったのですが、これこそ日本がワシントンの支配から脱却して、アジア、世界のリーダーになっていく大きな力となると確信するようになりました。
例えば、茶道ではどんな権力者でも躙口を通ってお茶室に入り、一つの空間の中で人間もお花も平等、対等な存在としてそこにあります。
様々な格差、分断が当たり前になっているアメリカ社会では考えられないことであり、私はお茶室の中に皆が本当の意味で認め合い、平等に生きていく理想を見るのです。
(本記事は月刊『致知』2025年2月号 特集「2050年の日本を考える」より一部を抜粋・編集したものです)
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◆真実のアメリカを知る
◆ワシントンに支配される日本
◆日本の未来は英霊の心にある
◇ジェイソン・モーガン
1977年アメリカ合衆国ルイジアナ州生まれ。テネシー大学チャタヌーガ校で歴史学を専攻後、名古屋外国語大学、名古屋大学大学院、中国昆明市の雲南大学に留学。ハワイ大学の大学院で東アジア学、特に中国史を研究。フルブライト研究者として早稲田大学大学院法務研究科で研究。2016年ウィスコンシン大学で博士号を取得。一般社団法人日本戦略研究フォーラム上席研究員を経て、2020年4月より現職。2024年著書『私はなぜ靖国神社で頭を垂れるのか』(方丈社)が公益財団法人アパ日本再興財団主催の第七回アパ日本再興大賞を受賞。