2024年09月22日
脳科学をスポーツに応用し、数多くの金メダリスト輩出に貢献してきた、脳科学者の林成之氏。この度、10月に林氏の著書『運を強くする潜在能力の鍛え方』刊行されます。救命救急センターの医者として、また脳科学者という立場で、多くのアスリートに助言をしたり、指導をする中で掴んだ潜在能力を発揮する人としない人の違いとはどこにあるのか。本書の中から潜在能力を引き出す合言葉についてご紹介します。 ◎各界一流プロフェッショナルの体験談を多数掲載、定期購読者数No.1(約11万8,000人)の総合月刊誌『致知』。人間力を高め、学び続ける習慣をお届けします。
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きょうは自分の日だ!
脳科学の観点から見ると、「勝ちたい」とか「負けると悔しい」というように人間の本能をむき出しにすると、潜在能力が弱くなってうまく結果が出ないのです。
そういうときは、「自分のゴルフを見て世界中の人がああいうふうに打てばいいのかと参考になるショットをしよう」というような気持ちで勝負と向き合えばいいのです。
大谷翔平選手があれほどの選手になったのも、自分が憧れられるような、誰からも愛されるような野球選手になりたいと思っているからでしょう。
勝つためには相手よりも気持ちを強くしないといけないのは確かなのですが、いくら自分に「絶対に勝つ」と言い聞かせても勝てるわけではないのです。
似ているように思うかもしれませんが、「きょうは相手より自分の気持ちのほうが上だから自分が勝つ」と考えることが大事なのです。
要するに、相手に気持ちで負けないということです。
そういう考えで勝負したら強くなると言ったら「面白い」と言ったのが錦織選手でした。
彼はそれを実践するようになったら急に強くなりました。
錦織選手は本当に立派な選手です。
あの体力でよくやっていると思います。
技術的な高さももちろんありますが、その前提となる気持ちの強さを持っています。
気持ちの力というのは勝負事においては非常に大きなものなのです。
その意味で、「きょうは自分の日だ!」というのも潜在能力を引き出す合言葉になるのです。
なぜ些細な言葉が勝負に影響するのでしょうか。
脳に情報が入ると、第一段階として気持ちが動くことを説明しました。
人はそこで空間認知能力を働かせ、直感的に物事との“間合い”を測るようにできています。
脳科学的には、この直感を言葉で満たすことができるのです。
言うなれば、言葉とは間合いです。
だからこそ、自分の間合いを正確に測るためには、脳にプラスになる言葉を使うことが重要になるのです。
『致知』最新10月号 特集「この道より我を生かす道なしこの道を歩く」に林成之先生がご登場!専門外から幼児教育の道に入り、大人でも難しい古典・名文を園児がすらすら読みこなす、卒園児の平均IQが120という稀有な幼稚園をつくり上げた小泉敏男氏と、人育てという普遍のテーマに挑む両氏の実践訓について語り合って頂きました。
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◇林 成之(はやし・なりゆき)昭和14年富山県生まれ。日本大学医学部、同大学大学院博士課程修了。マイアミ大学医学部、同大学救命救急センターに留学。平成3年日本大学医学部附属板橋病院救命救急センター部長に就任。27年より同大名誉教授。脳低温療法を開発し、医学界に貢献する傍ら、トップアスリートの指導に関わる。著書多数。『運を強くする潜在能力の鍛え方』(致知出版社)を刊行予定。