「うちの教会に来いへんか」——前科者や薬物中毒者を次々と家族にする女性牧師〈西田好子〉


日雇い労働者や野宿生活者が多く住む大阪市西成区のあいりん地区。商店街の路地裏にあるメダデ教会の西田好子さんは型破りの牧師として知られています。野宿生活者や薬物中毒者、前科のある人たちに次々に声を掛けて伝道。信仰を通して彼らの人生や生活を立て直してきた女性牧師を駆り立てるものは何か。人々の救済のために前進を続ける西田さんにお話を伺いました。

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試練は恵み

<西田>
私がおっさんたちの気持ちがよう分かるのは、私自身が教員として、牧師として干され続けてきたからです。

最初はこれは神様の試練と思うとった。だけど干されることがなかったら、こうしておっさんたちと心を通わせることはできなかった。

「試練は恵み」ということをいましみじみ感じます。

──ああ、試練は恵みだと。

<西田>
私は道端にいるおっさんたちに片っ端から声を掛ける。嫌だとか怖いとか危ないとか、一度も考えたことありません。だけど、人生に何度もつまずいた人ばかりやから、「もうええ」言われます。

皆一人がいいし、他人に構ってほしくないんやね。本当は「いまだけがすべてじゃないよ。これから新しい人生がひらけるよ」と言って引っ張ってきてあげたい。

だけどおっさんたちが欲しいのは目の前のご飯や。

「あなたは愛されています。神は愛なり」と御言葉を伝えてもついて来る人はおらん。そこにどうしても救いの限界があると思う。

そんな中にあって神様の御言葉を心の中に浸透させてくれたんがうちの子たちや。

1人を救うのに時間がかかるし、ものすごい努力がいる。裏切られることもある。お金はなんぼでも持っていかれた。

でも、努力がいる代わりに救えた時の喜びは何ものにも代えがたいものがあるんです。

努力もせんとな、絶対に人は救えません。


◉『致知』8月号 特集「さらに前進」◉
インタビュー〝「嫌われても、拒否されても、手を差し伸べずにはおれない」〟
西田好子(メダデ教会牧師)

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◆人間、食べ物だけでは生きていくことはできない
◆小学校の教師から牧師の道へ
◆牧師として仕事がなく母親と共に極貧生活
◆元組員の男性の悔い改め
◆「遅いように思えても、失望してはならない」

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◇西田好子(にしだ・よしこ)
昭和25年大阪府生まれ。龍谷大学卒業後、滋賀県の小学校教師となる。2児を連れて離婚後、大阪府下の小・中・養護学校で講師として勤務。平成13年関西学院大学神学部3年編入。15年日本基督教団教師となる。24年大阪市西成区にメダデ教会を設立。野外生活者や前科のある人、身寄りのない人々らの救済に当たる。

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