【コロナウイルスに負けない免疫力をつくる(全3回)】和食+ヨーグルトで健康を守る——カスピ海ヨーグルト研究会会長・家森幸男

コロナウイルスが猛威をふるっています。コロナウイルスに限らず、様々な感染症の危険から身を守るには、何よりも自分自身の免疫力を高めることが非常に大切です。そこで『致知』の記事の中から、免疫力を高める情報が満載の記事を精選して緊急配信いたします(全3回)。第2回は、手軽にできる日本の伝統食+カスピ海ヨーグルトの組み合わせで健康を守る方法を、カスピ海ヨーグルト研究会会長・家森幸男さんに教えていただきます。

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各地の調査で分かったこと

(家森)

各地の調査では年齢が50歳から54歳の人を対象に200人以上を抽出し、栄養状態と健康の関係を丸1日の尿を集め、採血をして徹底的に調べました。

例えば、調査当時、スコットランドの人たちは野菜をあまり食べず、お肉やパンが中心の食習慣だったのですが、先進国の中では心筋梗塞で亡くなる人の率が高く、平均寿命も西ヨーロッパで最短。同じような食習慣だったアルタイの遊牧民族、あるいはチベットの人たちも同じく短命でした。

また、かつては長寿だった国・地域の人たちが、食習慣の変化とともに短命になった事例も多くあります。典型的なのが沖縄からブラジルに移住した2世、3世の人たちでしょう。調査当時、沖縄は男女ともに世界一の長寿だったのですが、ブラジルに移住した人たちを調べると心臓病が多くなり、平均寿命が17年も短くなっていたのです。

この調査結果は明快で、短命国・地域の共通点は、塩分の摂取量が多い、あるいは肉食中心でコレステロールの摂取量が多いということでした。それが脳卒中や心筋梗塞などの死亡率を高める要因だということです。

その一方で調査当時の平均寿命が男性約77歳、女性約84歳と、長寿国の代表だった日本人の食事はどうだったか。結論から言えば、日本の伝統食は世界最高に近い長寿食だということが分かりました。

なぜなら「人は血管とともに老いる」と言いますように、二大血管病、心臓死と脳卒中が寿命に大きく影響します。当時の日本人には心臓病、すなわち心筋梗塞の死亡率が低いという特徴があり、なぜだろうかと調査をしてみると、日本人が肉類ではなく、主に米食によってカロリーを摂取していることでコレステロールの摂取が少ないためだと分かりました。

同様に、世界調査でも、お肉をたくさん食べる地域ではお肉を小さく切って串焼きにしたり、茹でたりしてコレステロールを落とす食習慣がある人たちは心筋梗塞の死亡率が低くなっていました。

そしてもう一つの理由が、豆腐に代表される大豆を食べる習慣です。大豆に含まれ、女性ホルモンと同じような働きをするイソフラボンは、血管を拡張させ、血液の流れをよくし、血管を詰まりにくくし、心筋梗塞を防ぎます。

さらにイソフラボンには前立腺がんや乳がんなどを抑え、あらゆるがんの抑制にも効果が期待されているのです。また大豆には、種実類や海藻にも豊富に含まれているマグネシウムも多く、肥満や高血圧、高脂血症などのリスクを抑える効果があるのです。

さらにもう一つ、日本人がよく食べる魚にもタウリンという血圧やコレステロールを下げるアミノ酸や、DHA(ドコサヘキサエン酸)など血液をさらさらにする栄養素が含まれ、心筋梗塞を防ぐので日本人は長寿なのです。

長寿食・日本食(和食)+西の長寿食・乳製品(ヨーグルト)

ところが、そんな日本食にも二大欠点がありました。一つは塩分が過剰であること。もう一つは、遊牧民でなかったことから牛乳を飲む習慣がなく、カルシウムが不足しがちだということです。先述のように、塩分過剰は脳卒中に繋がり、カルシウム不足は骨粗鬆症や骨折などに繋がります。この欠点が日本人の健康寿命を短くしている〝寝たきり〟の二大原因なのです。 

日本人の男女の平均寿命は現在、84歳と世界のトップですが、脳卒中や骨折などによる「寝たきり期間」を除いた健康寿命は平均寿命より10年以上も短く、決して長寿国だと喜んではいられません。

そして、この欠点をどう解決しようかと考えた末に、私が着目したのが乳製品、その中でも特にヨーグルトの持つ力でした。

乳製品にはカルシウムが豊富なことはもちろんのこと、カリウムやマグネシウムなど、塩分の害を防ぐ栄養素が多く含まれ、日本食の欠点を補ってくれるのです。しかし、日本人の中には牛乳を飲むと乳糖が消化できずお腹の調子が悪くなる人もいます。またチーズ類だと逆に塩分摂取が増えてしまいます。しかし、ヨーグルトならば、発酵して乳糖が乳酸になっているので、お腹や塩分を気にする必要がない、日本人にはお薦めの食品と言えます。

東の長寿食・日本食(和食)+西の長寿食・乳製品(ヨーグルト)。この東西長寿食の組み合わせこそが、私が長年の研究で辿り着いた健康寿命を延ばし、最期まで幸福に生きられる究極の長寿食に他なりません。

免疫力を高めるヨーグルト

ところで、ヨーグルトといってもブルガリカス菌など、含まれる乳酸菌によって様々な種類があることはご存じのことでしょう。その中でも、私がWHOの栄養調査の際、栄養分析で調べたのが、ヨーロッパ東部のコーカサス地方で飲まれていたヨーグルトです。

この世界調査では、ヨーグルトをよく飲むマサイ族やシルクロードに住むウイグル族も調べましたが、黒海とカスピ海に囲まれた中部コーカサス地方には100歳以上のお年寄りが元気に暮らしており、当時は世界屈指の長寿地域として知られていました。

そして、初めてコーカサス地方のジョージアの奥地オセチアを訪れた際、私は村人たちの大歓迎を受け、採れたての葡萄を山盛り振る舞われたのです。そこにはたくさんの蠅がたかっていましたが、「地元民と同じように食べるのが礼儀」と思い食べたところ、下痢をして大変でした。しかし、同じものを食べた村人たちは平気でした。

そこで私は、彼らが日常的に食べている自家製ヨーグルトに何か免疫力を高める秘密でもあるかと考えたのです。

その自家製ヨーグルトの免疫効果は、インフルエンザのワクチンを打つ時にヨーグルトを予め飲んでもらっていた人のほうが抗体価が上がり、罹りにくくなることで確かめられました。また、世界中で糖尿病が増えているのは、血糖値が急に上がる飲物が多いからだと考え、このヨーグルトが食後の血糖値の上昇を緩やかにすることも証明しました。さらに花粉症など過敏な免疫反応を抑えたり、整腸・美肌効果など、様々な健康効果が多くの研究で明らかになってきています。

そして、「このヨーグルトを安心・安全に日本の方々に届けたい」との思いを、長年大豆のイソフラボンの共同研究を行ってきたフジッコ株式会社の山岸社長(当時)に伝えたところ、賛同してくださり、試行錯誤の末、ヨーグルトから乳酸菌「クレモリス菌FC株」を分離・純粋培養する技術を開発してくださったのです。

その種菌は、当初兵庫県知事であった貝原氏がつくられたNPO「食の安全と健康ネットワーク」で頒布されていましたが、商品化され、現在、「カスピ海ヨーグルト」として全国の店頭に並んでいます。カスピ海ヨーグルトの乳酸菌「クレモリス菌FC株」は、大腸まで生きて届くことが明らかにされたプロバイオティクス乳酸菌で、他のヨーグルトにはあまりない独特の「粘り成分EPS」を生み出すのが特徴です。この粘り成分が先述した健康効果に関係していることが、様々な研究結果から明らかになっています。

私はこのカスピ海ヨーグルトに、きな粉(大豆)やじゃこ(魚)、とろろ昆布(海藻)といった日本の伝統的な長寿の栄養源を加える、あるいは食物繊維を補うためにドライフルーツなどを加える、マグネシウムを強化するためナッツ類や雑穀を混ぜて食べています。そうすれば誰もが毎日手軽に世界の長寿の栄養素を摂ることができるでしょう。

(本記事は『致知』2018年6月号連載「大自然と体心」から一部抜粋・編集したものです。あなたの人生や経営、仕事の糧になる教え、ヒントが見つかる月刊『致知』の詳細・購読はこちら

◇家森幸男(やもり・ゆきお)

昭和12年京都府生まれ。42年京都大学医学部大学院を修了。50年京都大学助教授、52年島根医科大学教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を経て、平成14年京都大学名誉教授。現在、武庫川女子大学教授、国際健康開発研究所所長、兵庫県健康財団会長を務める。日本脳卒中学会賞、米国心臓学会高血圧賞、ベルツ賞、杉田玄白賞、紫綬褒章など受賞多数。『カスピ海ヨーグルトの真実』『大豆は世界を救う』(ともに法研)『ついに突きとめた究極の長寿食』(洋泉社)など著書多数。

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