松下幸之助が語った成功の要諦(『松下幸之助の教訓』)

 


松下電器産業(現パナソニック)を一代で築いた“経営の神様”松下幸之助。松下翁が創設した「松下政経塾」の元塾頭で、平成8年に志ネットワーク社を創立以来、「青年塾」で約2,000人もの若者の人材教育に携わってきた上甲晃氏が、松下電器創業以来の松下幸之助の全公式発言がまとめられた『松下幸之助発言集』(PHP研究所刊、全45巻)を三度読破してまとめられたのが本著『松下幸之助の教訓』です。本書の中から、松下翁の考える成功の要諦についてご紹介します。

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成功のコツは成功するまでやめないこと

成功を期する以上は、成功するまでやめない。
自分が死んでも必ずあとを継ぐ人ある。その人間がやっていく。
お釈迦さんでも、仏法を広めるにあたって、いろんなことを言うて、亡くなられた。
けれどもそれが教典になったのは200年後ですわ。200年たって初めて教典ができた。お釈迦さんがこういうことを言われたということは、弟子の弟子の弟子がやったわけですな。
そうですから、皆さんが志を立てて、これをやろうと思った場合に、必ず成功するとはかぎらない。しかし、成功するまではやめないと心に誓ってやれば、もし皆さんが途中で死んでも、必ずあと継ぎがある。(『松下幸之助発言集』第5巻)

松下政経塾の塾生の基本的心得とも言うべき〝五誓〟の第1条は「素志貫徹の事」である。

そして、それには解説の文章がついている。

〈常に志を抱きつつ、懸命に為すべきを為すならば、いかなる困難に出会うとも、道は必ずひらけてくる。成功の要諦は、成功するまで続けるところにある〉。

松下政経塾では、塾是、塾訓と共に、この五誓を、朝会の時にみんなで唱和する。

だから、松下政経塾に学んだ諸君(私が勤務していた当時は5年間)は、毎朝繰り返して唱和しながら、心の奥底深くに刻んでいったのである。

とりわけ、みんなが忘れ難い言葉は、〈成功の要諦は、成功するまで続けるところにある〉のくだりである。

それは松下幸之助が、塾生を指導する時にも、しばしば、口にした言葉である。

当時の松下政経塾には、政治の道に進もうとするものが多かった。

とりわけ彼らの目の前の課題は、いかにして選挙に勝ち、政治家の立場を得るかにあった。あるいは落選を続けるかもしれない。

そんな不安な気持ちを、〈成功の要諦は、成功するまで続けるところにある〉と自らに言い聞かせてきたのである。

いわば、松下政経塾で学んだ人たちの最も心の支えになってきた言葉とも言えよう。

私たちは、事がうまくいかない時に、原因を他に求めてしまう傾向がある。

「予算が足りない。上司が反対する。部下がついてこない。お得意先から理解してもらえない」など、できない理由は無限に考えられる。

しかし、松下幸之助は、「できない理由は、自分の外にあるのではない。無理だと諦める気持ちが道を閉ざし、できなくするのだ」と教えた。

そして、失敗とは、即ち、諦めた時であるということも繰り返し教え続けていた。

私は、若い人たちに言う。

「目標に向かっていても、様々な壁が君の前に立ちはだかる。その壁を、〝だから無理です〟と、君は引き返す理由にしている。しかし、壁は、引き返すためにあるのではない。すべての壁は、乗り越えるために用意されている」と。

目の前に現れるあらゆる壁は、「あなたは本気か?」と確かめるための〝天の審判〟である。

だから、壁を乗り越えることは、「私は本気です」と言うのと同じ意味を持つ。

ある時、新しい政党をつくろうと、松下幸之助に直訴に出かけた塾生がいた。

松下幸之助は、「時期尚早やな」と言った。

その一言に、勢い込んで乗り込んだ塾生は大いに落胆した。

それ以来、二度とそのことを口にすることはなかった。

松下幸之助はある時、「この間、新しい政党をつくろうと勢い込んできた塾生がいたが、その後どうなったのや?」と秘書に聞いた。

秘書は、「そう言えば、あれから何も言ってきませんな」と返事をした。

その時、松下幸之助は、「その程度か?」と一言。

一度断られたら、すぐ諦める程度の思いつきかと判断したのだ。

その話は、そこですべて終わった。

一言反対されて、そのまま引き下がるようでは、「その程度か」である。

本当に事を為そうと思うならば、断られても断られても、なお喰らいついてくるものがなければ、事は成らないという端的な実例であった。

仕事も同じだ。一度断られたからと言って、そのまま引き下がるようでは、「その程度か」である。

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本記事の内容は、『松下幸之助の教訓』(上甲晃・著)より抜粋しています。
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◇上甲晃(じょうこう・あきら)
昭和16 年大阪市生まれ。40 年京都大学教育学部卒業と同時に、松下電器産業(現・パナソニック)入社。広報、電子レンジ販売などを担当し、56 年松下政経塾に出向。理事・塾頭、常務理事・副塾長を歴任。平成8 年松下電器産業を退職、志ネットワーク社を設立。翌年、青年塾を創設。同塾で25 年にわたる指導を続け、約2000 名に及ぶ若者たちを育ててきた。著書に『志のみ持参』『志を教える』『志を継ぐ』『松下幸之助に学んだ人生で大事なこと』『人生の合い言葉』(いずれも致知出版社)など多数。

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