「やりたいことが何でもできる社会をつくりたい」——2021年パラリンピック閉会式を盛り上げた二人が伝えたいこと

全身の筋肉が徐々に失われていく難病を患った小澤綾子さん。原因不明の脊髄炎で下半身が動かなくなった中嶋涼子さん。音楽活動やユーチューブ発信など、共に車椅子が必要な身となっても前進し続ける二人の姿が、見る者の心を動かしています。その活動に秘めた思い、二人が目指すバリアフリーな社会のあり方についてお話しいただきました。

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パラリンピックで見た景色を日常に

〈小澤〉
障碍者って一括りにされてしまいがちですけど、中嶋さんの話を聞いていると、お互いに過ごしてきた人生は全然違うことを実感させられます。

そんな二人だけれど、障碍があってもやりたいことが何でもできる社会をつくりたいという思いで一致していて、中嶋さんに出会えて本当によかったと思っています。

〈中嶋〉
だから一緒にやっていけているんだよね。

〈小澤〉
私は小さい頃にたくさん辛い思いをして、皆の前では明るく振る舞いながら、布団の中で一人涙を流す夜を重ねてきました。ですから、自分と同じような辛い涙を流す人がいなくなったらいいなという思いで活動をしています。

そしてもう一つは、どんな障碍がある人も人生の選択肢が狭まらなくて、やりたいことが何でもできる社会になったらいいなと思いますね。

私が病気を宣言された時に、真っ先に諦めたのが、就職することと結婚することでした。

周りが就職や結婚の話をしている中で、自分だけが話に入っていけずに悩んだ時期もありますけど、障碍があっても社会参加することが当たり前な、バリアのない社会をこの日本でもつくりたいんです。

私は幸い結婚に恵まれ、勤務先でも大きなプロジェクトを任されて、障碍者という負い目を感じることなく働かせていただいていますけど、他の人と同じ土俵に立つことのできない人はまだまだたくさんいらっしゃると思います。

障碍者が当たり前に社会に参加できるようになって、パラリンピックの閉会式で見た特別な景色が、日常のリアルな世界で実現することが、私の心からの願いなんです。

〈中嶋〉
私はもともとスポーツが好きだったので、車椅子に乗るようになっていろんな人からパラスポーツをやるよう勧められました。

でもその頃はまだ障碍者に対して偏見があって、そういう世界に入りたくないと思ってしまったんです。たぶん同じような人はいっぱいいると思うんですよ。障碍を受け入れられなくて、自分には何もできないって思い込んでいる人が。

私はそういう人たちに、障碍者の自分がいろんなことを楽しんでいる姿を見せることで、少しでも明るく、前向きに生きていける人が増えてほしいと思って、ユーチューブの配信を始めたんです。


(本記事は月刊『致知』2022年8月号 特集「覚悟を決める」より一部を抜粋・編集したものです)

◉『致知』2024年3月号に、小澤さん・中嶋さんと共に車いすチャレンジユニット「BEYOND GIRLS」として活躍する梅津絵里さんがご登場!

愛する人との結婚生活がスタートし、人生の幸せを噛み締めていたまさにその時、難病の全身性エリテマトーデス(SLE)を宣告された梅津絵里さん。6年間に及ぶ壮絶な入院・闘病生活を経て、いま人々の心に笑顔と希望の灯火を届けたいとの思いで社会活動に尽力する梅津さんに、絶望の中で掴んだ暗闇を突破する心の持ち方、自分らしい人生を生きるヒントをお話しいただきました。
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◇小澤綾子(おざわ・あやこ)
昭和57年千葉県生まれ。20歳の時に難病・筋ジストロフィーと診断される。平成18年明治大学経営学部卒業後、日本IBM入社。働きながら、音楽活動と講演を通して「いま」を生きる大切さを全国に伝えている。2025関西万博応援ソングを歌うバンドのメンバーに参加中、東京コレクションモデル、ドリームプランプレゼンテーション世界大会感動大賞受賞。著書に詩集絵本『10年前の君へ 筋ジストロフィーと生きる』(百年書房)がある。

◇中嶋涼子(なかじま・りょうこ)
昭和61年東京都生まれ。小学3年の冬、突然歩けなくなり、横断性脊髄炎と診断される。高校卒業後に渡米、平成23年南カリフォルニア大学映画学部卒業。帰国後、通訳、翻訳の仕事を経て、28年FOXネットワークス入社。29年退職後はユーチューブチャンネル「中嶋涼子の車椅子ですがなにか?!」の運営などを通じ、障碍者の思いを発信する車椅子インフルエンサーとして活動中。

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