2025年03月06日
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体験を通じて摑んだ リーダーの要諦
〈鈴木〉
野本さんはリーダーの条件について、どのように考えられていますか。
〈野本〉
私は経営トップとして3つのことが大事ではないかと考えています。
1つは「構想力」。当然のことながらしっかりとビジョンを掲げられることですよね。
2つ目は「判断力、決断力」。多くの人の意見を聞いた上で、何が正しいかを取捨選択できること。
3つ目は「対応力」。この意思決定をした時に最大でどういうリスクがあるかを事前に察知するとともに、トラブルが起こった場合にいかに早く正確に処理できるか。
この3つなくして経営トップは務まらないと思います。鈴木さんはいかがですか。
〈鈴木〉
私も野本さんが言われていることすべてが重要だと思います。加えて、やっぱり根本的に明るい人間であることも大切だと思うんですね。みんなの心が沈んでいる時に場を明るくできるかどうか。
それと欠かせないのは「実行力」。あれもやろう、これもやろうといろんなことを言って、結局何もできないというのは最低なんです。これは誰も信用しなくなっちゃう。
だから、言ったことは必ずやる。この実行力がすごく重要で、実行するためにはその前段階で、我われはこれをやるんだという「ビジョン」と、それがいかに世の中に役に立って、多くの人を幸せにするのかということを周囲の人間に納得させる「アジテーション」(煽動)、この二つがリーダーとしては重要だと思います。
〈野本〉
携わっている仕事の使命や意義を説き明かすと。
〈鈴木〉
野本さんのところは鉄道にしても小売にしても、社会的貢献がよく見えるんですよ。ところが、我われ証券ビジネスってそこが意外と難しいんですね。損得が関わってきますから、お客様が儲かったらいいけど、損させたら何のためにやっているんだって思いがちなんです。
でも、そうじゃない。要するに世の中はお金が偏在しているんですよ。基本的には個人にお金があって、企業や政府はお金が欲しい。
誰かがこれを繫がなかったらお金が動かない。だから、我われの仕事は本当に重要なんですと。こういうことを常に言わないと、どれだけ社会に役立っているかが見えない。組織の活力も生まれてこないんですね。
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本誌はこれまでも「運」に関するテーマを折に触れて組んできた。各界の第一線で活躍されている一流の方々にお会いし、質問を発するたび、「私は運がいいんです」と口を揃える。「私は運が悪いんです」と答えた人は誰一人としていない。交通、不動産、生活サービス、ホテル・リゾートを事業の柱にまちづくりを手掛け、216社7法人で構成する一大グループを統括する野本弘文氏と、27歳の時に徒手空拳で創業した会社を上場企業10社を含む2800億円規模のインターネットグループへと導いてきた熊谷正寿氏。このお二方もまた然り。企業経営と運に相関関係はあるのだろうか――。【詳細・購読は下記バナーをクリック↓】。
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◇野本弘文(のもと・ひろふみ)
昭和22年福岡県生まれ。46年早稲田大学理工学部卒業後、東京急行電鉄(現・東急)入社。平成13年事業戦略推進本部メディア事業室長、16年系列ケーブルテレビ会社であるイッツ・コミュニケーションズ社長を経て、19年東京急行電鉄取締役。23年社長に就任。30年より会長。
◇鈴木茂晴(すずき・しげはる)
昭和22年京都府生まれ。46年慶應義塾大学経済学部卒業後、大和證券入社。引受第一部長、専務取締役などを経て、16年大和証券グループ本社取締役兼代表執行社長、大和証券代表取締社長。23年大和証券グループ本社取締役会長兼執行役、大和証券代表取締役会長。29年4月より最高顧問、7月より日本証券業協会会長に就任。
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