中間選挙後のアメリカの行方——アメリカ、世界はどう変わるのか(オフィス・ファウンテン代表、山中泉)

 

2022年11月8日に行われたアメリカ中間選挙は、世界から大きな注目を集めました。共和党が地滑り的に勝利する「レッド・ウェーブ」が起こると事前の予想では言われていましたが、上院では民主党が過半数を維持、下院でも共和党の大勝とはなりませんでした。在米40年、アメリカ政治と社会を独自の視点から見つめ続け、分析してきたファウンテン倶楽部代表の山中泉さんに、中間選挙の真実、今後のアメリカの行方についてお話しいただきました。

メディアのプロパガンダに騙されてはいけない

〈山中〉
主要メディアでは、(中間選挙において)トランプ氏が前面に出たことで票が民主党に流れた、あるいは今回の選挙結果を受け、もはやトランプ氏に影響力はないという向きの報道がなされています。

しかし、これは以前から反トランプ運動を繰り広げてきた左派メディアによるプロパガンダにすぎません。実際には、トランプ氏が中間選挙で推薦した議員は232勝22敗であり、ほとんど勝っています。

しかも、トランプ氏は共和党内で何の役職にも就いていません。にもかかわらず、多くの議員がトランプ氏の推薦を求め、実際に有権者の支持を得て当選したのです。もちろん、共和党にもトランプ氏を支持しない層はいますが、中間選挙の結果を先入観なしに見れば、トランプ氏の影響力はいまだ健在だと言えるでしょう

ここからは選挙結果を受けて、アメリカがどうなっていくのかを見ていきたいと思います。

重要なのは、共和党が下院で過半数を獲得したことによって、今後共和党から下院議長が選出されることです。また下院にある防衛委員会、予算委員会、調査委員会といった各種委員会の委員長も、共和党から選出されるようになります。これにより、バイデン政権の政策に一定の歯止めをかけることができるようになるのです。

例えば、ある共和党議員は、正式な手続きを経ることなく、ほぼ無制限に投入されている膨大な額のウクライナ支援、兵器援助に歯止めをかけると主張しています。というのも、援助した資金や兵器で、実際に現地に届いているのは3割ほどだと言われているからです。他の7割はどこに流れているのか分からない、共和党はそこを一つひとつチェックすると言っています。これは今後のウクライナ情勢を大きく左右していくでしょう。

さらに、以前から取り沙汰されているバイデン大統領の息子、ハンター氏を巡る様々な疑惑(中国企業やウクライナのエネルギー企業との汚職問題等)についても、共和党議員がこれから追及していくことを公言しています。そうなればバイデン大統領への打撃になることは間違いありません。

それから今後のアメリカや日本、世界の行方に大きな影響を与えるのが、来年の大統領選挙です。中間選挙後、トランプ氏は次期大統領選挙に出馬することを表明しました。今後何が起こるかは分かりませんが、私はおそらくトランプ氏が共和党候補として大統領選に出る可能性が高いと見ています。

共和党内には、フロリダ州知事のデサンティス氏を推す声があります。氏は高い資質を持った優れたリーダーですが、まだ44歳と若く、やはり全米での知名度と実績ではトランプ氏に劣ります。

また、先にも述べたように、トランプ氏はいまだ一定の影響力を共和党内に保持していますし、バイデン大統領に敗れたとはいえ、2020年の大統領選で、現職大統領として最高の約7千400万票を獲得した実績があります。7千400万のアメリカ市民は、トランプ氏の再登場を望んでいるのです。


(本記事は月刊『致知』2023年2月号 連載「意見・判断」より一部抜粋・編集したものです

◎山中泉さんがご登場の「意見・判断」には、

「アメリカを失墜させるバイデン政権」
「レッド・ウェーブはなぜ起きなかったのか」
「これからアメリカはどう進んでいくのか」
「いま求められるのは正しい情報を得る力」

など、国際情勢をいまを見抜く知識・見識が満載です。本記事の詳細・ご購読はこちら《「致知電子版」でも全文をお読みいただけます》

◇山中泉(やまなか・せん)
昭和33年青森県生まれ。55年に渡米し、イリノイ大学ジャーナリズム科を卒業。ニューヨーク野村證券で勤務後、起業。現在はシカゴで複数の企業を経営。三浦空手道場師範代として大勢のアメリカ人を指導。日本メーカーの北米代表も務める。滞米40年。日本のメディアでは報道されない〝本当のアメリカ〟の姿を、著書やSNS、代表を務める「ファウンテン倶楽部」等で発信している。著書の『「アメリカ」の終わり』『アメリカの崩壊』(共に方丈社)はベストセラーに。

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