【人間力営業の時代|第1回】心が技術を越えない限り、技術は生かされない——永業塾主宰・中村信仁

日本ブリタニカに高卒で入社し、初年度から世界トップテンの営業実績を挙げた中村信仁さん。現在はそうした営業経験をもとに、業種・業界を問わずあらゆるジャンルの営業人たちに向けた「永業塾」を全国8か所で主宰し、これまで延べ18,000人と面談し、導いてきました。

本連載「人間力営業の時代」では、営業の道を30年以上歩んできた中村さんに、体験を通して掴んだ「営業の大原則」、営業ならぬ「永業」の神髄を伝授いただきます。記念すべき第1回では、中村さんが営業の道に入った原点を綴っていただきました。

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なぜ営業の道に入ったのか

この度、「人間力営業の時代」というテーマでコラムを担当いたします中村信仁(しんじ)と申します。私は22才で起業し34年経ちました。18才で営業職に就き38年。会社経営をしながら営業の道をいまも歩いています。
 
高校を卒業する時、担任の先生に言われたひと言で営業の世界に飛び込みました。

「信仁、同級生が大学を卒業する4年後、必ず学歴でコンプレックスを感じることになるぞ」
「そうなんですか……」
「だから、大学へ行った友達に負けないくらい、すごいキャリアを同じ4年間で積むべきだ」
「はぁ……」
「地獄のような仕事の経験をして、学歴に負けない自信を得なさい」

私の家は豊かじゃありませんでした。太平洋戦争で樺太(現・サハリン)から引き揚げてきた父と、口減らしで丁稚奉公に出された母との間に三人兄弟の次男として私は生まれました。ただ、貧しいことを恥じてはいませんでした。毎日一所懸命に働く両親を誇りに感じていました。

だだ、私は大学進学より早く社会に出て自分で稼ぐことに憧れていました。

「どんな仕事をすべきでしょうか」
「営業だ。……先生は学校を卒業して学校に就職したから、世の中のことはよく分からない。だけど、先生の同級生で営業の世界に行った者がみんな地獄だと言っている。だから、信仁、営業をやれ。そしてその経験を自信に変えろ」

それが担任、神山雄介先生の言葉でした。
 
私は、その言葉に従いフルコミッションの営業の世界へ飛び込みました。それが日本ブリタニカという会社です。そして4年間勤め上げ、その間、入社初年度から営業成績世界トップテンに名を連ね、毎年3回、優績者として海外へ招待されていました。同級生が大学を卒業すると同時に、私も「社会大学営業学科」を卒業し、そして起業したのです。

それから34年……。
現在は法人2社を経営し、上場会社の社外役員をし、数多くの中小企業の営業顧問をし、そして「永業塾」を主宰しながら年間延べ1,200人の営業パーソンに直接会い、時代と共に変化し続ける営業活動を研究すること15年が経ちました。

そして今、ひとつの道に気づいたのです。それは「人間力営業」という道です。

営業の世界に技術は存在します。見込み客をイエスに導く技術は確かに存在します。しかし「心が技術を越えない限り、技術は生かされない」のです。

技術を身につけた者が、その技術を活かすためには、心のステージを高めないといけないのです。そうしなければ真の成功者になれないのです。私たちは「社会的成功」と同時に「人間的成功」を収めなければいけないのです。

ぜひ、成長し続ける営業パーソンとして魂のステージを高める鍛錬をしませんか。それこそ、これから本コラムにてお伝えし続ける「人間力営業の時代」というテーマなのです。

【第2回】常に先約を優先する判断と勇気


◇中村信仁(なかむら・しんじ)
昭和41年北海道生まれ。59年高校卒業後、日本ブリタニカに入社し初年度から営業成績世界トップテンに名を連ねる。63年に独立。現在は企業の新卒採用や営業の支援事業の傍ら、「永業塾」を主宰し、後進の育成に携わる。年間50回の営業セミナーと年間30本の講演、毎週のオンラインセミナーを精力的にこなし、営業に関する執筆を続ける。また、地元北海道でラジオ番組のレギュラーを持ち、毎週木曜日午後6時から「中村信仁でナイト」3時間生放送中。中村信仁オフィシャルサイト   や中村信仁無料メールマガジン   などでも積極的に情報発信を行っている。著書に『営業の魔法』(BC)『営業の意味』『営業の神様』(ともにエイチエス)など多数。

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