運を自然に呼び寄せる方法——建築家・隈研吾

高いデザイン性と、木材などの自然素材を使い「環境に溶け込む建築」を造り出す隈研吾さん。近代的に「和」のテイスト溶け込ませる作品を特徴とする日本を代表する建築家の一人です。しかし、その華やかな経歴の裏には順風満帆ではない大変な時代があったと言います。その半生でつかみ取った、人生に大切な教えは胸に響いてくるものがあります。
※対談のお相手は北海道日本ハムファイターズ監督(当時)の栗山英樹さんです

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苦しい時、人間は2つに分かれる

<栗山> 
苦しい時にそれを不満に思うか、ありがたいと思って乗り越えるか。この2つの違いは実に大きいですね。

<隈>
おっしゃる通りです。

「何でこんなことをやらないといけないのか」と思う人と、「これは自分にとって何かのチャンスになるかもしれない」と思える人とでは、同じことを体験しても全く逆の結果が生まれる。

<栗山> 
やはり隈さんもそうお感じになりますか。隈さんのその言葉、選手たちにしっかり伝えてあげなきゃ(笑)。

<隈> 
建築の世界もそうですが、クライアントというのは割合好き勝手なことを言うんですよ。

設計する側はどうしてもそれを「勝手な要望だな」と感じるわけだけど、その時に「これで図面を描き直さなきゃいけなくなる。面倒だ」と受け止める人と「もしかしたら、これでもっといい建築ができるかもしれない」と受け止める人の2つに完全に分かれるんですね。僕自身、その後者でありたいと思っています。

<栗山>
プロとしてのプライドもありますし、なかなか簡単にはいかない問題ですね。

神様が味方をしてくれると思う瞬間がある

<隈> 
今回のテーマは「運と徳」だそうですが、運を
つかむには何事もポジティブに受け止める姿勢はとても大事でしょうね。先ほどからのお話のように、全く同じものを与えられてもポジティブに受け止められるか、ネガティブに受け止めるかでは見えてくる世界はまるで違ってくる。

僕が人生の中で大事にしてきたことを端的に表現するとしたら、この「ポジティブに受け止める」ということですね。

ただ、ポジティブといっても決して
肩肘かたひじを張って頑張ることではないと僕は思っています。一所懸命であることは大切ですが、「負けないぞ」「大変だぞ」と身構えると、逆に運は遠ざかってしまう。

むしろ、あまり息張って構えたりせずに、かといって落ち込んで腐ることもせず、明るく前向きに頑張っていくと運は自然と呼び寄せられるように感じます。 


(本記事は月刊『致知』2019年4月号 特集「運と徳」より一部を抜粋・編集したものです)

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◇隈 研吾(くま・けんご
昭和29年神奈川県生まれ。54年東京大学建築学科大学院修了、60年コロンビア大学建築・都市計画学科客員研究員。平成2年隈研吾建築都市設計事務所設立。21年から今日まで東京大学教授を務める。代表作に、栃木県那珂川町の馬頭広重美術館、東京の根津美術館など。建設中の新国立競技場の設計にも携わる。著書に『負ける建築』(岩波書店)『建築家、走る』(新潮文庫)など多数。

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