誰かの力になりたい——なぜ朝妻久実さんは〝朝チア〟に取り組み続けるのか

全日本応援協会代表理事、フリーアナウンサー、通勤途中の人たちに元気を与える〝朝チア(駅前でチアリーディング)〟など、多方面で活躍する朝妻久実さん。しかしかつては就職活動の失敗、うまくいかない人間関係など、笑顔になれない、前を向けない時期が続いていたといいます。その朝妻さんに、朝チアをはじめたきっかけ、応援学普及に情熱を燃やす原点となったエピソードをお話しいただきました。

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誰かの力になりたい

――人生の逆境をどのように乗り越えていかれたのですか。

〈朝妻〉
ある日、マイナス発言ばかりしている私を心配した友人から「いったい何がやりたいの?」って聞かれたんですね。その時に浮かんだのが、青春を懸けて打ち込んだチアリーディングだったんです。

前向きに頑張っていた頃の自分に戻りたいという思いもあったのでしょう、友人に「もう一度チアをやりたい」と伝えたら、「チアといえば、新宿駅で出勤途中の人を一人で勝手に応援して、いまネットニュースで話題になっているチアリーダーがいるよ」と。

友人のひと言がきっかけとなって、最終的には新宿駅まで見に行くことになったんですけど、当初は「皆が忙しく行き交っている早朝の新宿駅で、本当にチアをやるの?」っていう感じで、陰からこっそり様子を窺っていました。

すると、その人(齊藤彩さん)が現れて、「皆さん、おはようございます! 元気ですか? 私もいろんな挫折を経てここに立っています」「皆さんがちょっとだけ勇気を出すエネルギーになりたいと思います」と言って、一人で踊り始めたんです。その姿を見てもう全身に鳥肌が立ちました。

それに踊っている曲が、私が学生時代に親しんでいた曲と同じで、頑張っていた頃の自分の姿と重なったわけです。もう「これだー!」と思って、齊藤さんの前に飛びだして朝チアのメンバーに加えていただきました(笑)。それが2009年8月のことです。

――とはいえ、実際に朝チアを行うのは大変だったのでは。

〈朝妻〉
当時はたった2人で毎朝踊っていましたから、まさに修行ですよ(笑)。でも、毎朝できるかどうか心配する私に、齊藤さんは「久実ちゃん、できない理由じゃなくて、できる方法を考えるんだよ」って教えてくれたんです。そこから何事もポジティブに考えられるようになって、「ああ、きょうも朝チアできた」というように自分に自信を取り戻していきました。

また、1日1日と朝チアを続けていく中で、ある時、50歳くらいの女性の方が「あなたたちの姿を見て、(リストラされた)私にも何かできるかもしれないわ」と言って去っていかれて。その数日後、いつものように朝チアをやっていたら、その女性の方が近くで靴磨きをやられていました。

自分にも誰かの背中が押せたとすごく嬉しかったですし、この体験から誰かの力になりたい、通り過ぎる100人のうちのたった一人でも、朝チアで一日頑張る力を持っていただけたらいいなって、心のベクトルが本当に変わったように思うんです。

そして心のベクトルが変わると、なぜか落ち続けていたアナウンサーの採用にも受かるようになり、さらに朝チアを始めて4年が経った頃に、チアリーディングを扱う番組のキャスターのオファーが来たんです。実はアナウンサーとしてチアリーディングに携わることが夢だったんですね。

――心の持ち方が前向きになったことで人生も好転していったと。

〈朝妻〉
そしてその後、2015年に齊藤さんが引退。私が2代目部長となり、新しいメンバーも加わり現在に至ります。2020年には朝チア1000回を達成しました。


(本記事は月刊『致知』2022年3月号 連載「第一線で活躍する女性」より一部を抜粋・編集したものです)

『致知』2022年3月号には、朝妻久実さんのインタビューを掲載。生い立ちから、朝チア、応援学の普及に至るまでの歩みを語っていただいています。誰かの力になりたい――その朝妻さんの純粋な思い、情熱が詰まったインタビューをぜひご覧ください!!

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◇朝妻久実(あさづま・くみ)
1983年北海道生まれ。大学卒業後、「朝チア」を行う全日本女子チア部に入部。2015年に2代目部長に就任。2018年一般社団法人全日本応援協会を設立し、代表理事に就任。同時にフリーアナウンサーとしてテレビ・ラジオ・イベントなどにも出演。北海道旭川観光大使も務める。

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