すきやばし次郎主人・小野二郎が語る、仕事を芯から覚えるための第一条件

1万本以上に及ぶ月刊『致知』の人物インタビューと、弊社書籍の中から、仕事力・人間力が身につく記事を精選した『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(藤尾秀昭・監修)。致知出版社が熱い想いを込めて贈る渾身の一書です。本記事では、90歳を超えてなお店主としてすしを握り続ける銀座「すきやばし次郎」の主、小野二郎さんに仕事の真髄を学びます。

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命を懸ける覚悟をきめてくれた息子の言葉

〈小野〉
親方とか先輩に教えてもらおうと思って入ってくるのは大きな間違いで、自分が上の人のやり方を盗んで勉強し、進歩していかなければいけない。

というのは、教えてもらったことというのは忘れるんですよね。自分が盗んだものは忘れない。会社なんかでも同じだろうと思うんだけど、ポッと教えてやったら忘れちゃいます。自分が苦労して苦労して、これを必ず自分のものにしようと思って、やっと盗んだものは決して忘れない。

だからうちの若い連中に、鮨の握り方を覚えろだの何だのとは言わないですけど、皆、昼飯が終わると、冷たい鮨飯を温めて、自分で握る勉強をしています。そういうことを自発的にやれるようでなきゃダメですよ。私なんかが握るのを遠くから見ていて、そんなので覚えられるくらいなら、苦労なんて誰もしやしませんから。

これは本人が自覚していくより他ないんです。それができない人間では、一生いい職人にはなれませんね。でも実際、この店に来て、まともにやって残るのは10年に1人か2人くらいでしょう。

だいたい、うちがこれだけ雑誌やテレビに出ても、ここで修業したいっていう子はめったにいませんよ。でもどっちみち自分が鮨屋になるのであれば、いい鮨屋でしっかり勉強したほうが、独立した時にいい仕事ができて、いいお客様を取れると思うんですよ。でもそういう店は厳しいから嫌だと言う。

自分のわがまま放題、好き勝手なことをやってて将来もずっと通るかといえば、私は通らないと思います。何事も一番底辺から覚えていかなかったら、一人前にはなれません。まず10年は辛抱しないと、その仕事をほんとに芯から覚えていくことは難しい。でも朝が早いから嫌だとか、夜遅いから嫌だとか、そういう人たちばっかり。これは、人間の基礎ができてないんじゃないかと思うんです。

だから私はよく言うんです。一つの仕事を一所懸命やって、苦労して少しずつでも頭を持ち上げていったら、自分が将来一番楽だろうって。一人前になって家庭を持った時でも、苦労が少なくて済むと思うんですよ。


(本記事は『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』より一部を抜粋・編集したものです)

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◇小野二郎(おの・じろう)すきやばし次郎主人

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