~社内木鶏会全国大会への道~ コロナをバネにさらなる飛躍を—— ウエル清光会理事長・小池由久

 

『致知』をテキストにした勉強会「社内木鶏会」。学びの輪は全国1200社にまで広がり、「社風がよくなった」「業績が上がった」など嬉しい声が続々と寄せられています。その成功事例を発表する「社内木鶏全国大会」が来年で第10回の節目を迎えるあたり、第10大会に出場する5社の取り組みをご紹介していきます。今回は社会福祉法人ウエル清光会理事長・小池由久さんのインタビューを配信します。

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逆境の中で始まった木鶏会

会計事務を生業とする私たちが介護事業に乗り出したのは11年前。あるドクターから介護施設の運営を引き継いでほしいと打診されたのがきっかけでした。病院経営を助けてあげたい一心で、役員会の反対を押し切り未経験の事業を始めたものの、実際、多くの苦労を味わうことになりました。

平成27年、私は行政から呼び出しを受け、虐待認定の通知をもらいました。利用者様に対する施設内での虐待が発生していたのです。メディア報道、ネットでの誹謗中傷もあり、何人もの仲間が職場を去っていきました。さらに追い打ちをかけるように、今度は別の施設で重大事故が起きました。

これらの出来事を引き起こした原因は私自身にありました。それまでの私には会計事務所の経営、コンサルタントとしての実績が社会的に認められたという自負があり、介護事業に携わった後もなおその成功体験を引きずっていたのです。それだけに、相次ぐ逆境は私を打ちのめしました。

よき人材をどうしたら育成できるかを必死に模索していた時、まず頭に浮かんだのは、その3年前から薬局事業部門で取り組んでいた社内木鶏会のことでした。しかし、介護事業部門は700名のスタッフを擁し、しかも現場は365日、24時間のフル稼働です。始めるにはいくつもの障壁がありましたが、時間は掛かったとしても社内木鶏会を通してスタッフの潜在能力を引き出していきたいと強く思うようになったのです。

そこで考えたのは、方針発表会など社員が集まる行事に合わせて木鶏会を開催するというやり方です。経験豊かな薬局事業部門の社員にも加わってもらうことでより円滑な運営ができるようになりました。介護事業部門の木鶏会はこれまで18回開かれ、私はこのうちの16回に参加、スタッフと膝をつき合わせながら、その声に耳を傾けてきました。

創業の志を次世代に

来年開催予定の第10回社内木鶏全国大会出場に向けて歩き出した私たちですが、最近、ある大きな試練に直面しました。介護施設でお二人の新型コロナウイルスの感染者が出てしまったのです。施設の一部閉鎖や濃厚接触者となったスタッフの隔離など対応に追われましたが、余力があまりない中でも運営を続けることができました。

人手が足りない仕事を他のスタッフが必死に手伝ってくれる様子を目の当たりにしながら「これも木鶏会を続けてきた一つの成果ではないか」と実感したものです。おかげでそれ以上の感染拡大を防ぐことができ、感染された利用者様も無事に退院されました。

仕事も人生も時に起きてほしくない出来事に遭遇することがあります。現実から目を逸らすことなくチームワークによって試練を乗り切った体験は、私たちにとって大きな自信や誇りに繋がりました。

この体験をさらに磨き高めて全国大会に臨みたいと思います。

私はいま生涯現役で働ける介護現場の環境を整えることを経営目標の一つに掲げています。それには携わる一人ひとりが健康を維持しながら社内木鶏会によって人間力を高める努力も必要です。そのことは業界の社会的地位の向上に繋がることでしょう。

私たちは人を相手にする仕事であり、小さなミスが重大事故に繋がりかねません。その意味でも人間力を高めることは重要であり、今後も『致知』に学び続けます。

本記事は『致知』2020年9月号 連載「社内木鶏会で我が社はこう変わった」から一部抜粋・編集したものです)


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