キーワードは「自分発振」。量子力学が教える、人生を好転させる生き方(村松大輔)

思いは実現する。人は自分が考えた通りの人生を歩む――。古来数多の先賢によって説かれてきた教えですが、近年こうした真理が科学的に実証されつつあるといいます。量子力学の知見に基づく独自の教育法をもとに、塾やセミナーで多くの人の可能性を開いてきた村松大輔さんに、人生をガラリと変える「自分発振」の生き方と教育法を語っていただきました。

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塞いだ可能性をほぐして、開く

――村松さんの主宰される学習塾「開華」では、ユニークな指導法で子供たちの可能性を開いていらっしゃるそうですね。

〈村松〉 
吉田松陰の松下村塾のような寺子屋をやりたい、という思いで始めた塾なんです。心の本質に火を点ければ、子供たちはどんどん成長していくので、一般教科の指導に加えて、メンタルのあり方や生き方、自分自身への言葉がけなどを通じた脳力開発にも力を入れているんです。2013年に地元の群馬県で立ち上げて、これまで約800人の子と向き合ってきました。

例えば、小学1年で入ってきて、何を教えても「分かんない、分かんない」って弱音を吐いていた女の子がいます。心の奥の素直な部分に「大丈夫、できるから!」「すごいじゃん!」ってポジティブな言葉をかけ続けたら、1年くらいでどんどんできるようになって、おまけに卓球で全国大会に出場するまでになったんですよ。

 ――勉強でもスポーツでも力を発揮し始めたのですね。

〈村松〉 
成績を上げることだけでなく、その子がイキイキと人生を切り開いていくことを目標にしているんです。ですからうちでは数学の模試で偏差値84.9を出した子もいれば、空手の県大会で優勝したり、フェンシングの日本代表に選ばれたりした子もいます。

私は空手を25年以上やってきたので、気とかエネルギーの流れに敏感なんですけど、ダメの烙印を押された子の塞いでいるところを見つけて、ほぐしてあげるのが大好きなんです。詰まっていたところが開けば、どの子もすぐに伸び始めます。楽しいですよ、傍で見てると(笑)。とてもやりがいがあります。

最近は、培ってきたノウハウがお母様方や企業様でも評判を呼んで、いまは東京にも事務所を構えて社会人向けのセミナーも開催しているんです。

――塾だけに限定されるノウハウではないのですね。

〈村松〉 
去年岡山から参加してくださった女性は、離婚の悲しみからお酒に溺れ、睡眠薬の助けを借りて眠る毎日を送っておられました。ところがセミナーで号泣された後にすっごく素敵な笑顔が溢れてきて、その晩から薬が不要でお酒も楽しく飲めるようになったんです。いまは立派に立ち直られて、充実した毎日を送っていらっしゃいますよ。

人生は自分が発振した通りに現実化する

――どうしてそのような劇的な変化が起こるのですか。

〈村松〉 
キーワードは「自分発振」です。

私が人生を模索する中で出合った量子力学という学問では、意識や感情にはちゃんと実体があって、フォトンという素粒子でできていることが明らかにされています。私たちは普段から無意識のうちにフォトンに意識や感情という情報を載せて発振、つまり波を飛ばしているんです。ですから「嬉しい!」と思えば、フォトンも嬉しいの振動を帯びて発振され、「ムカつく!」と思えば、ムカつくのフォトンが発振されていきます。

 ――目には見えなくても、自分の思いに応じた素粒子が常に発振されているのですね。

〈村松〉 
ゼロポイントフィールドというすべての根源となる場から、瞬間、瞬間に生み出されているんです。ですからこの部屋の中にも、テレビの電波や携帯電話の電磁波と共に、いろんな意識や感情を帯びた素粒子、フォトンが飛び交っているんですよ。

そしてフォトンが波として飛んでいくと、「共振」といって、同じような周波数の波が反応して返ってきます。先ほどの譬えに補足して説明すれば、「嬉しい!」という高い周波数のフォトンを発振すると嬉しい現象が共鳴して返ってくるし、「ムカつく!」という低い周波数を発振すればムカつく出来事を呼び寄せてしまう。結局、私たちの人生は自分が発振した波の通りに現実化しているわけです。

私の塾やセミナーではこの仕組みを踏まえて、主体的によい意識や感情を発振して、自分を高め、人生をよい方向へ導くお手伝いをさせていただいているんです。

大切なのは自分と自分自身との関係

――不本意な毎日を送っている方へのアドバイスをお願いします。

〈村松〉 
大切なのは、相手と自分との関係ではなくて、自分と自分自身との関係です。

例えば親の愛が欲しい、旦那に愛されたい、社長に認めてもらいたいといった充たされない思いを発振している限り、同じような低い周波数のエネルギーが共鳴して返ってくるから苦しいんですよ。

私は前職だった父の会社で「父に認めてほしい」というエネルギーをいつも発振していました。そうすると周りの社員からも「俺のことをもっと認めてくれ」というエネルギーばかり集まってくるんです。ある時、皆でひと仕事終えて「帰っていいよ」と言った時、「村松さんから労いがない」と怒りをぶちまけられてハッとしました。自分が発振している思いと同じような現象が、周りから返ってきていたんですね。

ですから、相手と自分との関係は、自分と自分自身との関係。自分が自分をどう扱っているかが、現実に現れているだけなんです。私はそのことに気づいて、自分のことを大切にし、同じように社員のことも大切にし始めたら、皆との関係がびっくりするほど改善して、仕事もスムーズに回り始めたんです。

 ――何を発振するかで、状況は一変するのですね。

〈村松〉 
発振したエネルギーに応じた結果が現れる。量子力学では、当たり前のことなんです。

このことを踏まえて、お子さんを伸ばすには褒めることが大事だというお話をさせていただくと、「自分は親から褒められていないからできません」というお母さんがよくいらっしゃいます。でもそうした負の連鎖を断ち切って、自分がしてもらいたかったようにお子さんを褒めてあげると、お子さんの満足感から生じるエネルギーによって、お母さんの過去の充たされなかった思いも癒やされるんです。

たとえば中2のある女の子は、顔色が悪く、偏頭痛持ちで、学校を休みがちでした。お母さんが娘を褒めることのできない方だったので、このお話をさせていただくと、とても忠実に実践してくださいましてね。数学で40点しか取れなかったその女の子は、5か月後には80点取れるようになり、生徒会長にまでなったんですよ。

お母さんがご自分の母親に報告したら、「あんたが一番頑張ったよね」と言ってくれたそうで、「いくつになっても親から褒められるのは嬉しいものですね」と笑顔でおっしゃっていました。


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比叡山延暦寺で最も過酷な修行の一つとされる十二年籠山行を戦後初めて満行した堀澤祖門老師と共に、仏教と量子力学の融合がひらく幸福な生き方について縦横に語り合っていただきました。ぜひご覧ください。詳細はこちら


(本記事は月刊『致知』2020年9月号 特集「人間を磨く」より一部を抜粋・編集したものです

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◇村松大輔(むらまつ・だいすけ)
昭和50年群馬県生まれ。平成10年東京大学工学部を卒業し、父親の経営する会社に勤務。25年脳力開発塾「開華」設立。量子力学をベースに「自分発振」による脳力開発を提唱。現在は企業向けのセミナー等でも活躍。著書に『「自分発振」で願いをかなえる方法』(サンマーク出版)『人生を悦びに変える波動とエネルギーのレシピ:大ホリスティック医学×量子力学的自分発振』(共著、あすか書院)など。

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