~社内木鶏全国大会への道~ 創業者の価値観を引き継いでいく——毎日興業株式会社 社長・田部井良

田部井良社長

『致知』をテキストにした勉強会「社内木鶏会」。学びの輪は全国1200社にまで広がり、「社風がよくなった」「業績が上がった」など嬉しい声が続々と寄せられています。その成功事例を発表する「社内木鶏全国大会」が来年で第10回の節目を迎えるあたり、第10大会に出場する5社の取り組みをご紹介していきます。今回は毎日興業株式会社社長・田部井良さんのインタビューを配信します。

★社風がよくなる、社長と社員の思いが一つになる!『致知』をテキストにした勉強会「社内木鶏会」の詳細はこちらから

各界一流プロフェッショナルの体験談を多数掲載、定期購読者数No.1(約11万8,000人)の総合月刊誌『致知』。人間力を高め、学び続ける習慣をお届けします。
1年12冊の『致知』ご購読・詳細はこちら※動機詳細は「③HP・WEB chichiを見て」を選択ください

創業者の価値観を『致知』で引き継ぐ

自分にはとても無理だろう、荷が重いな―。これは、第十回社内木鶏全国大会への出場を打診された際に込み上げてきた正直な思いでした。

長く『致知』を愛読し、2003年に全国で初めて社内木鶏会を導入した創業者の父・功が亡くなったのは、2017年12月。私はその一年半後の2019年4月に38歳で会社を継いだため、自分は社長として大した経験も苦労も積んでいない。まして他の企業様のように、何か社内木鶏会を通じたドラマチックなストーリーを体験してきたわけでもない、との思いがあったのです。

それでも私が全国大会への出場を決意したのは、大きく2つの理由がありました。

一つには、全国で初めて社内木鶏会を導入した当社がどのような取り組みをしてきたのか、他の1200百社の導入企業様も知りたいのではないかと思ったこと。そしてもう一つは、父が遺したかった大切な生き方、価値観が凝縮されている『致知』に、いまこそ私を含めた全従業員がより一層学んでいかなければならないと強く感じたことです。

亡くなる数日前、父は最後の力を振り絞るようにして、

「毎日興業という会社の名前を残してほしいのではない。最も大切な価値観を残し続けてほしい」

と言いました。その遺言を受け、私はすぐに「父が最も大切にした価値観とは何だったのか」を改めて振り返り、「感謝の心」「喜働の心」「利他の心」「謙虚の心」「慈愛の心」「情熱の心」の6つを「創業者の精神」として定めました。

そしてその中で行きついたのが、父がずっと私たちに伝え続けてきたことであり、『致知』が説き続けてきたことでもある「心と人格を磨き続けること」「人徳を積むこと」の大切さです。

もちろん、まだ未熟な私がいくら従業員に「人徳を積みなさい」といっても十分には伝わらないでしょう。しかし、『致知』に学ぶ社内木鶏会でなら、皆に伝えることができます。実際、父も「自分の思いが従業員に伝わらないから社内木鶏会をやるんだ」と言っていました。

この社内木鶏全国大会を機に、「感動大賞」を目指すというよりも、いままで以上に私を含めた全従業員が一所懸命に『致知』から学び、心を磨いていく社風を創っていきたいと思っています。

社員が幸せになれる会社に

いま全国大会の実行委員会を立ち上げて、エールの練習をしたり、全部署での合同木鶏会をしたりと、少しずつ本番へ向けて全従業員の気持ちを高めていっているところです。

また、代表社員として発表するのは、発達障碍のある石井君です。 

石井君は、最初は自分の心をうまくコントロールできず、人前で話すことが苦手だったのですが、社内木鶏会を続けるうちに、いまでは仕事に前向きになり、真っ先に手を挙げて「特集総リード」を読んでくれるまでに成長しました。彼が他の社員の協力を得ながら、練習で発表原稿を読んでいる姿を見た時、私は思わず涙が込み上げてきました。

全国大会へ向けた取り組みを進めていく中で、従業員同士の絆、団結力が強くなっていることを実感しています。 

これからも社内木鶏会、今回の全国大会出場を通じて、全従業員から「この会社に勤めて本当に幸せだ」と言ってもらえる社風にしていきたいですし、地域の方々からも愛される会社にしていきたい。それこそ創業者が目指していた我が社の理想の姿だと思うのです。

★社風がよくなる、社長と社員の思いが一つになる!『致知』をテキストにした勉強会「社内木鶏会」の詳細はこちらから 

本記事は『致知』2020年5月号 連載「社内木鶏会で我が社はこう変わった」から一部抜粋・編集したものです

各界一流プロフェッショナルの体験談を多数掲載、定期購読者数No.1(約11万8,000人)の総合月刊誌『致知』。人間力を高め、学び続ける習慣をお届けします。

 

1年間(全12冊)

定価14,400円

11,500

(税込/送料無料)

1冊あたり
約958円

(税込/送料無料)

人間力・仕事力を高める
記事をメルマガで受け取る

その他のメルマガご案内はこちら

『致知』には毎号、あなたの人間力を高める記事が掲載されています。
まだお読みでない方は、こちらからお申し込みください。

※お気軽に1年購読 11,500円(1冊あたり958円/税・送料込み)
※おトクな3年購読 31,000円(1冊あたり861円/税・送料込み)

人間学の月刊誌 致知とは

人気ランキング

  1. 【WEB chichi限定記事】

    【取材手記】ふるさと納税受入額で5度の日本一! 宮崎県都城市市長・池田宜永が語った「組織を発展させる秘訣」

  2. 人生

    大谷翔平、菊池雄星を育てた花巻東高校・佐々木洋監督が語った「何をやってもツイてる人、空回りする人の4つの差」

  3. 【WEB chichi限定記事】

    【編集長取材手記】不思議と運命が好転する「一流の人が実践しているちょっとした心の習慣」——増田明美×浅見帆帆子

  4. 【WEB chichi限定記事】

    【取材手記】持って生まれた運命を変えるには!? 稀代の観相家・水野南北が説く〝陰徳〟のすすめ

  5. 子育て・教育

    赤ちゃんは母親を選んで生まれてくる ——「胎内記憶」が私たちに示すもの

  6. 仕事

    リアル“下町ロケット”! 植松電機社長・植松 努の宇宙への挑戦

  7. 注目の一冊

    なぜ若者たちは笑顔で飛び立っていったのか——ある特攻隊員の最期の言葉

  8. 人生

    卵を投げつけられた王貞治が放った驚きのひと言——福岡ソフトバンクホークス監督・小久保裕紀が振り返る

  9. 【WEB chichi限定記事】

    【取材手記】勝利の秘訣は日常にあり——世界チャンピオンが苦節を経て掴んだ勝負哲学〈登坂絵莉〉

  10. 仕事

    「勝負の神は細部に宿る」日本サッカー界を牽引してきた岡田武史監督の勝負哲学

人間力・仕事力を高める
記事をメルマガで受け取る

その他のメルマガご案内はこちら

閉じる