2024年11月16日
「宇宙を味方にする方程式」を掴み、多くの人々の人生を好転させてきた潜在能力研究家の故・小林正観氏。研究と実体験を通じて氏が会得されたという、「宇宙の方程式」に沿った言葉の使い方とは――。脳梗塞後遺症による右半身不随をきっかけに、人の命を輝かせるための文筆活動を続けてこられた作家・神渡良平氏と語り合っていただきました。※内容は2008年当時のものです
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「使った言葉はまた使いたくなる」宇宙の仕組み
〈神渡〉
正観さんの宇宙の法則の理解の仕方は私にはとても新鮮でした。私はそれまでいかに生きるべきかとしかつめらしく追求してきましたから。正観さんの「~ということらしいですよ」という捉え方は、肩の荷が下ります。
〈小林〉
宇宙というのはどうも二重構造になっているみたいなんです。結婚したいと言ってる人からは結婚が遠ざかるし、お金がほしいと言ってる人からはお金が遠ざかるし、健康がほしいと言ってる人ほど健康が遠ざかっていくようです。ですから講演でも、「聴かなくてもいいですよ」みたいな話のほうが聴きたくなると思うんです。
〈神渡〉
なるほど、宇宙の法則がそうなっているんですね。
〈小林〉
ある保険会社が、車につけてあるお守りの数と事故率を調べたら、お守りの数が多くなるほど事故率が高いという統計が出たんです。なぜお守りが多いほど事故に遭いやすいかというと、前が見えなくなるからです(笑)。
〈神渡〉
アハハ(笑)。
〈小林〉
それは冗談ですが、でも宇宙の構造はそういうふうに、執着を持って求めるほど遠ざかるらしいんです。
つまり、営業ナンバーワンになりたいと年間1000回言ったとすると、来年もまたその言葉を1000回言うようになるし、健康がほしいと言っている人は、来年も再来年も同じことを言い続けることになる。つまり叶っていないわけです。
言ったことが叶うのではない。言った言葉をまた言いたくなるようにセットされるらしいというのが、これまでの研究で私が掌握した宇宙の方程式です。
〈神渡〉
だから正観さんは先に「ありがとう」と感謝するのがいいとおっしゃっているんですね。
〈小林〉
そうです。
「ありがとう」を仮に1万回言ったとすると、来年また「ありがとう」を1万回言いたくなるような現象が勝手に降ってくるんです。何が降ってくるかは分からないけれど、とにかく「ありがとう」を言いたくなる現象が1万個セットされる。そういうふうになっているみたいです。
だから、「嬉しい、楽しい、幸せ、ありがとう、ツイてる」というような言葉をずっと言っていると、言った回数だけその言葉をまた言いたくなるようにセットされるわけです。
せっかく宇宙の仕組みがそうなっているらしいと分かったので、私はそれを毎日使いこなしています。ものすごく簡単で、お金もかかりません。宇宙の方程式に沿って言葉を使うことで、人生を潤し、豊かにすることができるんです。
「ありがとう」の力を身に着けた2人の実話
〈神渡〉
ブラジルにコーヒー農園を経営されている鈴木功さんという方がいらっしゃいます。この方が有機栽培に切り替えようとして奮闘されていますが、有機栽培は切り替えてから3年間は政府から証明書が出ないんです。だから有機栽培の表示がもらえ、新たな販売ルートができるまでは、石にかじりついてでも頑張らなければならない。
でも経済的に大変だったので、日本に出稼ぎに来て、昼間は地下鉄の工事現場で働き、夜はガードマンをやって、立っていてもつい居眠りしてしまうというくらい過酷な生活を3年間耐え抜きました。
鈴木さんが偉いのは、その過酷な労働の最中に――これは正観さんの影響ですが――、鈴木さんはカウンターをカチャカチャ言わせて、ずっと「ありがとう、ありがとう」と繰り返し言い続け、自分の発想を肯定的なものに変えようとしました。
すると、ものの考え方がどんどん変わっていき、運勢も良くなってきました。3年過ぎて無事に有機コーヒーとして認定され、日本の市場にも輸出できるようになりました。
鈴木さんは、「ありがとう」という言葉を繰り返すことによって人生が変わりました。何でも感謝して受け入れるようになったんです。「ありがとう」という言葉にはすごい力があるんですね。
〈小林〉
私の講演を何十回も聴いてくださっていたある末期がんの方がいました。
その方は、抗がん剤も放射線も外科手術もやりたくなくて、4番目の治療法といわれるNK(ナチュラルキラー)細胞療法に賭けることにしたんです。NK細胞を体外に取り出して増殖させ、それを培養して体内に戻すという療法です。理論値では、NK細胞は最大2万倍まで増やせるそうですが、実際にそこまで増えることは稀なのだそうです。
ところが、その人の体に8万4千個しかなかったNK細胞は、なんと21億個にまで増えたそうなんです。理論値で2万倍ですから最高で16億個までは増えるはずですが、それを遥かに上回って21億個にまで増えた。そんな人はいままでにいないそうです。
〈神渡〉
すごく好転したものですね。
〈小林〉
その方は、体からNK細胞を採られている最中に、「ありがとう、ありがとう」と言い聞かせ続けたそうです。それで元気になって増えたのかもしれません。
それだけたくさんのNK細胞が体内に戻ったおかげで、それまでものすごい痛みに悩まされて腕が全然上がらなかったのが、いまではまったく痛みがなくなり、病気であることすら忘れているとおっしゃっていました。
〈神渡〉
奇跡のようなお話ですね。
〈小林〉
現在ある言葉の中で最高の影響力を持つのが「ありがとう」だと私は考えています。
(本記事は月刊『致知』2008年8月号 特集「人生を潤す言葉」より一部を抜粋・編集したものです)
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◇神渡良平(かみわたり・りょうへい)
昭和23年鹿児島県生まれ。九州大学医学部中退後、様々な職業を経て、38歳の時、脳梗塞で倒れ右半身不随に陥り、闘病生活の中で「人生は一度しかない」ことを骨の髄まで知らされる。懸命なリハビリで社会復帰するが、その時の問題意識が、作家となった現在、重低音のように全作品に流れている。著書に『宇宙の響き―中村天風の世界』『下坐に生きる』『佐藤一斎「言志四録」を読む』『人間この輝かしきもの』『天翔ける日本武尊』(上・下)『西郷隆盛人間学』(いずれも致知出版社)など多数。
◇小林正観(こばやし・せいかん)
昭和23年東京都生まれ。中央大学法学部卒業。学生時代より人間の潜在意識やESP現象、超常現象に興味を持ち、旅行作家のかたわら研究を続け、今日に至る。現在、主に心学研究家として活躍する他、コンセプター(基本概念提案者)として「ものづくり」「人づくり」「宿づくり」「町づくり」などにも関わっている。心理学博士。社会学博士。教育学博士。著書に『宇宙を味方にする方程式』『宇宙を貫く幸せの方程式』『宇宙が応援する生き方』(いずれも致知出版社)など多数。