【本田健×天外伺朗】幸運を掴み、運命を高める生き方

大富豪との出会いを基に、著書や講演を通じてお金との幸せな関係の築き方を説く一方、この未曾有の危機に際して積極的な提言を続ける本田 健氏。ソニーでコンパクトディスクやロボット犬AIBOの開発に携わるなどエンジニアとして第一線で活躍しつつ、精神世界の研究を通じて人生を追求してきた天外伺朗氏。世間の常識に囚われずに自分の可能性を切り開いてきたお二人に、運命を開発する生き方についてお話し合いいただきました。
※この対談の内容は、2005年当時のものです。

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お金があれば幸せになれるか

〈天外〉
本田さんの転機もお聞きしたいですね。やはりアメリカへ行って大富豪と出会われたことが大きかったのでしょうね。

〈本田〉
はい。『ユダヤ人大富豪の教え』は、主人公の若い青年がお金持ちになりたいという夢を抱いてスタートする話なんですが、私がアメリカに行った時の体験がベースになっています。

(中略)

そのメンターのモデルになった人は実在の方で、もう17年ぐらい前、私が20歳の時にフロリダでお会いしました。その出会いがきっかけとなって、お金と幸せについて人生で初めて考えるチャンスをもらったんです。

〈天外〉
そうですか、あの大富豪も実在する人物だったわけだ。

〈本田〉
はい。実際には私がお会いしたいろんな大富豪の話を、実在の人物一人に語ってもらう形にしました。

お金と幸せのことを考え始めると、自分の才能はどこにあるんだろうとか、どうすれば社会に貢献できるだろうとか、何をやれば幸せになれるだろうというふうに、人生に対して初めて責任を持ち始めると思うんですね。

〈天外〉
そうですね。

〈本田〉
本の冒頭に「1,000人分の署名を3日以内にもらってくる」という試練を与えられるくだりがありますが、私は実際に出会った大富豪たちからいろんなテストを受けました。君はどうして成功したいのか、というようなことを問われて、それを厳しくチェックされるわけです。そこに利己的なものがあったらすぐ排除させられたり、何か禅問答のようなことをたくさん教わったわけです。

内発的動機に基づいて活動をする

〈天外〉
私が先般書いた『運命の法則』では、昔グライダーにのめり込んでいた時期のエピソードを披露しています。

ある時、めったにない特殊な上昇気流に出くわしたんですが、何の準備もしていなかったので、それに乗っての距離飛行を実現する機会を逸してしまったんです。そこで、再びその気流に出合うことを想定して綿密に準備をしておいたら、ゼロに近い確率だったにもかかわらず、再びその気流に出合い、距離飛行を実現できたんです。

〈本田〉
興味深いエピソードですね。

〈天外〉
その時に、真剣に準備した人のところに幸運が訪れるのだと直感的に感じて、それが運命の法則ではないかと考えたのがこの本の下敷きとなっているのです。

でもその後いろいろ勉強してきますと、それは真剣に準備したことがポイントなのではなくて、自らの内側から込み上げてくる思い、「内発的動機」に基づいて準備したからこそ幸運が訪れるということが分かったのです。

〈本田〉
内発的動機ですか。

〈天外〉
はい。内発的動機に基づいて行動していると、「フロー」という状態に入るんです。フローというのは何か夢中になって物事に取り組んでいる状態のことで、フローに入ると非常に運がよくなります。これは、チクセントミハイという心理学の教授が1960年代に確立した理論なのです。

したがって、真剣に準備している人のところに幸運が訪れるというのも、内発的動機に基づいて準備することでフローに入ったからそういう状態になったということが分かった。それがこの本の一つの趣旨なんです。

〈本田〉
好きなことを追いかけている人っていうのは、そのフローの状態に入りやすいでしょうし、経済的にも回り回ってすごく恵まれた人生を送れるというふうに私は思っています。ですから、単純に自分の好きなこと、得意なことをやるというのは、人生の運を高める一つの条件だと思っていましたから、これを先生のお話で確認できてすごく嬉しいです。

(本記事は『致知』2005年11月号 特集「開発力」より一部を抜粋・編集したものです。)

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◇本田 健(ほんだ・けん)
 兵庫県生まれ。経営コンサルティング会社、会計事務所、ベンチャーキャピタル会社など、複数の会社を経営する「お金の専門家」。独自の経営アドバイスで、これまでに多くのベンチャービジネスの成功者を育ててきた。娘の誕生をきっかけに育児を中心としたセミリタイア生活を送っている。現在はボストンに住み、子育ての傍ら「お金と幸せ」をテーマに講演、カウンセリング、セミナーなどを行っている。著書に『幸せな小金持ちへの8つのステップ』『ユダヤ人大富豪の教え』『きっと、よくなる!』など多数。

◇天外伺朗(てんげ・しろう)
昭和17年兵庫県生まれ。大学で電子工学を専攻後、ソニー研究所で先端技術の研究開発に携わる。コンパクトディスク、ワークステーションNEWS、エンターテインメント・ロボット「AIBO」などの開発を務めてきた。その経験を生かし科学技術評論、人材開発にも健筆を振るう。平成16年より、人々が病気にならないように指導し、生まれてから死ぬまでをケアする「ホロトロピック・センター」を病院に代わる概念として推進する「ホロトロピック・ネットワーク」を主宰。著書に『ここまで来た「あの世」の科学』『宇宙の根っこにつながる瞑想法』『運命の法則』など多数。

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