宇野昌磨、浅田真央を育てた名コーチ・山田満知子が語る「伸びる人と伸びない人の差」

宇野昌磨、浅田真央、伊藤みどりら数々のフィギュアスケート選手を育ててきた山田満知子コーチ。半世紀近くフィギュアスケートの指導に携わる中で掴んだ、「伸びる人と伸びない人の差」を実感を込めてお話しいただきました。
(読了時間:2分)

勉強やスキルよりも大切な〇〇

はっきりいって、頭が悪いのはダメですね。学校の勉強じゃないですよ。1を言って10を知るじゃないけど、コーチがいま何を考えているかとか、きょうは何を練習したらいいかとか、こちらが何も言わなくても察することができる。そういう勘がいい子が伸びますね。

私の場合、チャンピオンにするとか、メダリストにするとか、実はそれほど興味がないんです。うちに習いに来て、3しか能力がない子を5とか7とかにすることはできても、もともと10の才能を持っている天才にはかなわない。

五輪に出てくる選手なんてみんな天才ですよ。

その天才たちがさらに天才的に努力をして、やっとメダルに手が届くかどうか。そういう厳しい世界です。世界の頂点に立てるのは天才の中の超天才だけ。

たまたま(伊藤)みどりや(浅田)真央はなれましたけど、なれない人がほとんどなんですよ。

そりゃ私も2番より1番のほうがいいですよ。でも、たとえ5番でも、みんなから「あの子、いい子だったね」「あの人の演技って素敵だったね」と言われるスケーターがいいなと私は思います。

だってジャネット・リンだって3位ですよ。誰も1位の人なんて覚えちゃいない(笑)。彼女のスケートのいろいろなシーンに人間性が出て、それがいつまでも私たちの心に残っているんです。

だから私はジャンプができないとか、スピンが下手とか、そういうことではまず怒らない。

礼儀とか躾のほうが多いかな。反抗期の時、生意気だったり、先生にプンみたいな態度でいる子には「ちょっと待ったぁ!」と。

「私はあなたより年上で、しかも先生でしょう。いまの受け答えはないでしょう」とはっきり言います。要するに生き方の注意のほうが多いですね。

みどりはハートの強さと優しさが混ざった演技をするスケーターでしたし、真央は素直で自然体の愛らしい演技をする子。

それってそのまま彼女たちの性格ですよ。人間性が全部スケートに出ているんですね。

(本記事は『致知』2006年4月号 特集「根を養う」より一部抜粋・再編したものです。人間力・仕事力を高める記事が満載の『致知』、詳細はこちら!)

◇山田満知子(やまだ・まちこ)
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昭和18年愛知県生まれ。7歳でスケートを始め、35年16歳でインターハイ、国体を制覇。金城学院大学卒業後、38年20歳でプロのインストラクターになる。アルベールビル五輪銀メダルの伊藤みどり、昨年の世界ジュニア選手権優勝の浅田真央らを育てる。

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