『致知』編集長が選んだ安岡教学の良書10巻——『安岡正篤活学選集』発刊に寄せて

月刊『致知』の創刊40周年を記念して出版された『安岡正篤活学選集』(全10巻)。人間学の宝典ともいえる珠玉の選集がいよいよ発売開始となりました。本書出版に寄せる思いを、『致知』編集長が綴りました。

安岡教学を学ぶ上で不可欠の十書

去る9月22日に開催した「『致知』創刊40周年記念大会」の様子が、『致知』2018年12月号に約30ページにわたって紹介されています。ページをめくっていると、あの日の熱気と感動が甦ってくる思いがします。
 
さて、この『致知』の40周年記念企画の一環として計画していた『安岡正篤活学選集』がいよいよ2018年11月20日に出版される運びとなりました。弊社ではこれまで35冊の安岡先生の著書を出版していますが、『致知』の読者から「安岡先生の本を読みたいが、どの本から読めばよいのか教えてほしい」という質問を多数いただいたこともあり、若い人たちにこの本はぜひ読んでいただきたいという本を10冊選び、活学選集として出版するものです。
 
限定3000部としましたが、この選集の出版が端緒となり、安岡教学のすばらしさが後世に伝承されていくことを願うばかりです。予約段階からたくさんのお申込みをいただいており、『致知』読者の見識の高さに感動しています。(選集の詳細は後掲)
 
先日の記念大会でも話しましたが、私は安岡正篤先生とお会いしたことはありません。私が安岡先生のことを知り、お目にかかりたいと思った時は、安岡先生は病院に入院されており、ついにお会いすることは叶いませんでした。
 
安岡先生が亡くなられたのは昭和58年12月13日です。私どもはすぐ『致知』で先生の追悼号を組むことを決め、それから約1か月で先生を師と仰がれる多くの人たちに取材をさせていただき、2月1日発行の3月号で、「安岡正篤追悼」号を出版させていただいたのです。

以来35年、安岡先生の教えは『致知』の底流を成すものとなりました。道縁というものの不思議を思わないわけにはいきません。
 
「真の活学は人の相を変え運命を変える」と安岡先生は言っています。この10冊を真に読み込めば、確かに相が変わり、運命は変わると思います。この選集を活学し、自らの人生を豊穣にと導いていかれる人の一人でも多からんことを願っています。

心を鼓舞する名言・訓言

10巻の書には心を鼓舞する名言・訓言があふれていますが、最後に3つの言葉をここに紹介します。
 
「我を亡ぼす者は我なり。人、自らを亡ぼさすんば、誰かよく之を亡ぼさん」
ローマを亡ぼしたのはローマです。 日本を支えているものは日本です。 健康で生き生きとした人生を送れるかどうかというのも自分自身にあります。

――『呻吟語を読む』より

この人生において、我われの人格が真に確立し、最早惑うこともなくなるまでには到底、自分の独力で為し得られるものではない……我われは常に権威ある人格、品性、気魄、才能に接触し、誘掖され、陶冶されて、初めてようやく、自己を充実し、洗練し、向上させることができる。この厳粛な事理を閑却し、蔑視する者は必ず人生に退転し、迷惑し、転倒するの愚に終わらねばならない。

――『いかに生くべきか・東洋倫理概論』より

人物学に伴う実践、即ち人物修練の根本的条件は怯めず臆せず、勇敢に、而して己を空しうして、あらゆる人生の経験を嘗め尽くすことであります。人生の辛苦艱難、喜怒哀楽、利害得失、栄枯盛衰、そういう人生の事実、生活を勇敢に体験することです。その体験の中にその信念を生かして行って、初めて吾々に知行合一的に自己人物を練ることが出来るのであります。

――『経世瑣言・続編』より

安岡先生の高弟・伊與田覺氏は師を評して「天下を住処に古の聖賢と語らった人」と言っていますが、本選集10巻を通読するだけでも、その語らいの測り難い広さ、深さに感嘆します。

【永久保存版/現代に甦る人間学の宝典】
安岡正篤活学選集(全10巻) 安岡正篤・著

◇安岡正篤(やすおか・まさひろ)
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明治31年大阪市生まれ。大正11年東京帝国大学法学部政治学科卒業。昭和2年?金?学院、6年日本農士学校を設立、東洋思想の研究と後進の育成に努める。戦後、24年師友会を設立、政財界のリーダーの啓発・教化に努め、その精神的支柱となる。その教えは人物学を中心として、今日なお日本の進むべき方向を示している。58年12月死去。

収録作品
【1】『人物を修める』
【2】『先哲講座』
【3】『易と人生哲学』
【4】『呻吟語を読む』
【5】『立命の書「陰しつ録」を読む』
【6】『経世瑣言〈総編〉』
【7】『いかに生くべきか』
【8】『青年の大成』
【9】『経世の書「呂氏春秋」を読む』
【10】『人間を磨く』
・限定3,000部
・11月下旬以降の発送となります。

定価=本体16,600円+税

(本記事は致知出版社社長・藤尾秀昭の「小さな人生論」のメールマガジンを一部抜粋・編集したものです。『致知』には人間力・仕事力を高める記事が満載!詳しくはこちら

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