2018年09月07日
『致知』創刊40周年を記念して出版される『人生の法則』(藤尾秀昭・著)。
9月中旬の発売を前に現在予約を受付中ですが、思いのほか、非常に反響が大きく、すでに当初予定していた3,000冊を上回るご予約をいただき、ご希望の方もおありでしたので、
急遽、刷り部数を5,000部に変更させていただきました。
なお、5,000部を限度とし、その後の増刷はいたしませんので、ご購入を検討されている方は、ぜひ早めのご予約をおすすめいたします。204篇収録される文章のうち、一篇をご紹介します。
一途一心
一途一心とはひたすら、ひたむきということである。一つ事に命を懸けること、ともいえる。あらゆる道、あらゆる事業を完成させる上で、欠かすことのできない心的態度である。物事の成就はこのコア(核)なくしてはあり得ない。
イエローハット創業者の鍵山秀三郎氏は、ある時若い人たちから成功の秘訣を問われ、「成功のコツは二つある」と答えて白板に、
「コツコツ」――と板書されたという。
コツコツは一途一心と同義である。その根底にあるのは無心である。心に雑念、妄念が入っては、人間、コツコツにはなれない。
人生の先達も一致して一途一心の大事さを説いている。
倫理研究所の創始者、丸山敏雄氏の言葉。
「己の一切を学問に捧げ、事業に傾け、仕事に没頭してこそ、はじめて異常の働きができる。己の大きな向上、躍進、完成は己を空しくすることである。身を捧げることである。ここに必ず、真の幸福が添うのである」
森信三著『修身教授録』にある言葉。
「真の“誠”は何よりもまず己のつとめに打ち込むところから始まるといってよいでしょう。すなわち誠に至る出発点は、何よりもまず自分の仕事に打ち込むということでしょう。
総じて自己の務めに対して、自己の一切を傾け尽くしてこれに当たる。即ち、もうこれ以上は尽くしようがないというところを、なおもそこに不足を覚えて、さらに一段と自己を投げ出していく。これが真の誠への歩みというものでしょう」
その膨大な著作から小社が三百六十六語を選んで編んだ『安岡正篤一日一言』。その中にも教えを凝縮したような次の言葉がある。
「何ものにも真剣になれず、したがって、何事にも己を忘れることができない。満足することができない。楽しむことができない。常に不平を抱き、不満を持って、何か陰口を叩いたり、やけのようなことをいって、その日その日をいかにも雑然、漫然と暮らすということは、人間として一種の自殺行為です。社会にとっても非常に有害です。毒であります」
では、どういう生き方をすればよいのか。
「いかにすればいつまでも進歩向上していくことができるのか。第一に絶えず精神を仕事に打ち込んでいくということです。純一無雑の工夫をする――近代的にいうと、全力を挙げて仕事に打ち込んでいく、ということです」「人間に一番悪いのは雑駁とか軽薄とかいうこと(中略)。これがひどくなると混乱に陥ります。人間で申しますと自己分裂になるのです。そこで絶えず自分というものを何かに打ち込んでいくことが大切です」
最後に、最近、宮城県の一読者から、この度の震災で会社(女川町)も家(石巻市)も流されたが、「毎月『致知』が届くのを楽しみにし、主人と『致知』を奪うように読み、『致知』に励まされ、とにかく前進あるのみとやっております」というお便りをいただいた。
大きな困難の渦中で『致知』を支えに一途一心に前に進んでおられる読者の方がいる。本誌もまた、一途一心に精進の一道を歩みたい。
【1】総リードをそのままに再現!
「『致知』掲載時のままの形で総リードを読みたい」という愛読者の多くのご要望から生まれた本書。判型も『致知』本誌と同じB5判です。
【2】豪華装幀の永久保存版!
特製箱付き。高級感があり、座右の書となる一冊です。
【3】17年分、204本を完全収録!
(2001年11月号から、2018年10月号までを網羅)
『致知』創刊40周年記念出版
『人生の法則』~『致知』総リード特別篇~
(藤尾秀昭・著)
定価=本体10,000円+税
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・9月中旬以降の発送となります。