社員に任せられない5つの理由

Amzaonのビジネス・実用ランキングで1位になるなど発売前から反響を呼んでいる『新将命の社長の教科書』。ジョンソン・エンド・ジョンソン、シェル石油、日本コカ・コーラ、フィリップス等、6社ものグローバル・エクセレント・カンパニーで陣頭指揮をとり、“伝説の外資トップ”の異名をとる新将命(あたらし・まさみ)さんによるリーダーシップのバイブルです。本書の中で、新さんが「社員に仕事を任せられない5つの理由」という興味深い指摘をされています。
その内容を、まだ発売前の本書からひとあしお先にご紹介させていただきます。

任せられない(器がない)5つの理由

任せることが人を育てるために大切である、ということは誰でもわかる(はずの)ことだ。

だが、現実には世の中の多くの企業のトップが社員に仕事を任せていないことも事実である。
なぜ任せられないのか。

社長に任せるだけの器がないというのもひとつの事実だが、それだけですべてを片づけることはできない。

社長が部下に任せられない理由を大別すると、そもそも任せる気がない、任せたいとは思っているが、任せられないに分類されるというのが私の見立てである。

この2種類を、さらに分類していくと次の5つになる。

〈そもそも任せる気がない〉

1 任せることの重要性を認識していない

2 部下を信用していない

3 自分の能力を過信している

4 正しい任せ方を知らない

5 自分に自信がない

1の「任せることの重要性を認識していない」という人は、先述した
<1×100>と<1×10×100>の違いを理解していない人だ。
会社の未来をイメージしてみてもらいたい。会社の未来とは、自分が会社を去った後のことだ。いかなる人の命も有限である。

しかし、会社の命は正しい経営を続けていれば、よほどの天変地異でも起こらない限り、未来永劫続くことができる。自分が去った後でも、会社は繁栄を続けてほしいと考えない社長は滅多にいない。

そのためには、会社の未来を託す後継者が必要だ。だが、後継者が育つには時間と経験と何度かの失敗や挫折が必要である。

最後の骨はオレが拾ってやる

5の「自分に自信がない」という人は、任せるべき適任者を選べる自信がない、部下に任せても黙って見ている自信がないということである。

あるいは、自分ができないようなことを部下に任せたのでは安心できない、ということもある。

任せるべき適任者を選ぶことができないというのは、事前の瀬踏み(事前の評価)の基準ができていないことに原因の多くがある。

瀬踏みの基準を明らかにするには、任せるべき仕事を棚卸しして、遂行するために必要なスキルとマインドのレベルを設定してみることだ。

自分でもできないような仕事を部下に任せられるだろうかと不安に思う場合は、会社とチームとは足らざるを補い合う集団であることを再認識すべきだ。

社長にできないことでも、できる部下がいれば任せればよい。

スキルのある者にはスキルに応じた仕事を任せればよいのである。社長が絶対に部下に譲ってはいけないのは、理念と戦略の決定と、わが社が求める人材像の決定だ。

戦術や行動計画は現場に任せてよいし、任せるべきである。

そして、任せた以上は、たとえ失敗しても最後の骨はオレが拾ってやるという気迫と覚悟で部下を送り出してやらねばならない。

それこそが社長の人間力である。

…………

目 次
…………

第1章 リーダーシップ・教養
第2章 教育と人財育成・説明能力
第3章 志・行動力
第4章 権限委譲・決断力
第5章 倫理観・企業家精神
第6章 自責・尊敬
第7章 自己啓発・自己犠牲
第8章 人間力・健康
第9章 改革・高潔
第10章 情熱・人望

・リーダーにカリスマ性はいらない
・説得力の決め手は人間力
・夢を実現する方程式
・中小企業が伸び悩む理由
・人間力とは信頼と尊敬の合計値である
・一流の人は顔で人を導く
・人望は権力や権威からは生まれない
・社長はデキルデキタ人であれ
・サラリーマンとビジネスマンの違い
・チャレンジする勇気をチームに鼓舞せよ
・一日4回メシを食う
・人生は、取り返しはできないがやり直しはできる
・説得力の決め手は人間力
・優れたリーダーは優れたコミュニケーターである
・行動は成功を約束しないが行動しなければ成功はない
・信用は信頼を得るためのステップ
・人間力を高める修羅場のすすめ
・正しい任せ方を知っておこう
・決め方の作法
・リスクをとって決める覚悟と勇気
・最大のリスクとはリスクを取らないことである
・生き続けるとは変わり続けること
・馬車を10台つないでも列車にはならない
・イノベーションが産業を生む

…………
略 歴 
…………
新将命(あたらし・まさみ)
1936年東京生まれ。早稲田大学卒。株式会社国際ビジネスブレイン代表取締役社長。
シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップなど、グローバル・エクセレント・カンパニー6社で社長職を3社、副社長職を1社経験。2003年から2011年3月まで住友商事株式会社のアドバイザリー・ボード・メンバーを務める。「経営のプロフェッショナル」として50年以上にわたり、日本、ヨーロッパ、アメリカの企業の第一線に携わり、今も尚、様々な会社のアドバイザーや経営者のメンターを務めながら長年の経験と実績をベースに、講演や企業研修、執筆活動を通じて国内外で「リーダー人財育成」の使命に取り組んでいる。著書に『経営の教科書』『リーダーの教科書』『王道経営』(いずれもダイヤモンド社)『最強のリーダー力』(日本文芸社)『信じる力』(東洋経済新報社)などがある。

━━━━━━━━━━━━━━

徳のある社長になるのための方程式

『新将命の社長の教科書』

 新将命・著

定価=本体1,600円+税

 

━━━━━━━━━━━━━━
新将命さんトーク&サイン会
━━━━━━━━━━━━━━

8月4日 (土) 八重洲ブックセンター本店で、
『新将命の社長の教科書』の出版を記念した
新将命さんトーク&サイン会が開催されます。

日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、
日本ホールマークなど、外資企業のトップとして
次々に業績をあげてきた伝説の外資トップが説く
人間力の鍛え方とは?

本講演会では、新将命さんに、
リーダーシップの極意と、組織を繁栄発展に導く心得を
たっぷりお話しいただきます。

2018年8月4日 (土) 15:00~(開場 14:30 ) 
八重洲ブックセンター本店 8F ギャラリー 
定員80名(お申し込み先着順)※定員になり次第、締切
主催:八重洲ブックセンター 協賛:致知出版社

◆お申込方法など、詳細はこちらから

 

人間力を磨きたいあなたのお手元に、
『致知』を毎月お届けします。

人間学の月刊誌 致知とは