東京土産「榮太樓飴」物語


東京土産として有名な「榮太樓飴」を
ご存じの方も多いでしょう。
榮太樓飴はとことん材料にこだわり、
人工の香料は決して使わないといいます。

その創業は江戸時代に遡ります。
社長の細田眞さんに
歴史を振り返っていただきました。

───────「今日の注目の人」───

細田 眞(榮太樓總本舗社長)

※『致知』2017年8月号
※特集「維新する」P44

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──長い歴史の中では試練に見舞われた
  時期もあったのではありませんか。


この一帯は東京の中心部ですから、
関東大震災でも東京大空襲でも
大変な被害を受けました。

震災の時は、
無事だった目白の自宅にあった
原料や材料を日本橋まで運んで
何とか急場を凌いだそうですが、
空襲だけはどうにもならなかったと
聞いています。
 
戦時中は砂糖が配給され、
細々とながら菓子を作っていました。
しかし、東京が焼け野が原になると
それもできなくなって、
一年半ほどは事業を
中止せざるを得なくなりました。

その後、喫茶部門を立ち上げたり、
ジャムや佃煮を作ったり、
菓子以外でもできることは
何でもやったようですね。

当時は曾祖父の時代ですが、
創業者の教えを守り、
どんなに厳しい時代でも
決してあくどい儲け方を
してはいけないということを
常に肝に銘じてきたといいます。
  

──現在はどういうことに
  力を入れられていますか。


和菓子屋ですから、
金鍔や水羊羹なども
取り扱っていますが、
売り上げの半分以上は飴なんです。

それも、ただ売れれば
いいというのではなく、
人工の香料や着色料、添加剤は
一切使わずに天然の果汁を用いるなど
製法や品質にとことんこだわっています。

人工の香料などを使っていない飴は、
おそらく世界でうちだけでしょう。


海外から調達した安い原料でも
我われの技術で加工すれば、
そこそこのものはできます。
しかし、そこで安易な妥協をすれば、
……



※伝統の味を大切にしつつも、
 常に革新を続ける同社の取り組みは
 8月号でお読みください。

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