日本人が大切にしてきたもの


日本を代表する文化人・千玄室さんが
『致知』の「巻頭の言葉」の
連載陣に新たに加わられました。

執筆いただいた文章の一部を
ご紹介しましょう。

───────「今日の注目の人」───

千 玄室(茶道裏千家前家元)

※『致知』2017年5月号【最新号】
※「巻頭の言葉」P4

───────────────────

さて、歌や詩は「ポエム」
という言葉でいい表されるが、
ポエムの語源は
古代ギリシア語の「ポイエーシス」で、
それは「何かを表す」というような
意味だと知った。


自然的な現象や心のよりどころなどを、
言の葉で端的に表現するのだ。

万葉の歌には、
込められた不思議な言の葉
いわば「言霊」がある。

柿本人麻呂がよりその言霊を
意識していたようで、
その作品は


「しき島の大和の国は言霊の
 幸はふ国ぞま幸くありこそ」


「言霊の八十の衢に夕占問う
 占正に告る妹はあひ寄らむ」


など「霊の」という「たま」が
何かを動かしており、
そしてその「たま」は
幸わうとか幸を招くということに
通じているのではあるまいか。


万葉の歌々には、
その時代のさまざまな事象が
時の生活に結びついて詠まれている。

奈良時代の律令制度の確立によって
国づくりができ、
仏教そして神道の
精神性が人々の心を動かし、
その訴えを歌に託したのであろう。

いわば歌とは
安穏感をもたらすもので
あったと思われるのである。
 
日本人が古来、
大切にしてきたのが言霊である。

先人の心に思いを馳せ……



※千さんの含蓄あるお話を
 ぜひ誌面で味わってください。

1年間(全12冊)

定価14,400円

11,500

(税込/送料無料)

1冊あたり
約958円

(税込/送料無料)

人間力・仕事力を高める
記事をメルマガで受け取る

その他のメルマガご案内はこちら

人気ランキング

  1. 【WEB chichi限定記事】

    【取材手記】ふるさと納税受入額で5度の日本一! 宮崎県都城市市長・池田宜永が語った「組織を発展させる秘訣」

  2. 人生

    大谷翔平、菊池雄星を育てた花巻東高校・佐々木洋監督が語った「何をやってもツイてる人、空回りする人の4つの差」

  3. 【WEB chichi限定記事】

    【編集長取材手記】不思議と運命が好転する「一流の人が実践しているちょっとした心の習慣」——増田明美×浅見帆帆子

  4. 【WEB chichi限定記事】

    【取材手記】持って生まれた運命を変えるには!? 稀代の観相家・水野南北が説く〝陰徳〟のすすめ

  5. 子育て・教育

    赤ちゃんは母親を選んで生まれてくる ——「胎内記憶」が私たちに示すもの

  6. 仕事

    リアル“下町ロケット”! 植松電機社長・植松 努の宇宙への挑戦

  7. 注目の一冊

    なぜ若者たちは笑顔で飛び立っていったのか——ある特攻隊員の最期の言葉

  8. 人生

    卵を投げつけられた王貞治が放った驚きのひと言——福岡ソフトバンクホークス監督・小久保裕紀が振り返る

  9. 【WEB chichi限定記事】

    【取材手記】勝利の秘訣は日常にあり——世界チャンピオンが苦節を経て掴んだ勝負哲学〈登坂絵莉〉

  10. 仕事

    「勝負の神は細部に宿る」日本サッカー界を牽引してきた岡田武史監督の勝負哲学

人間力・仕事力を高める
記事をメルマガで受け取る

その他のメルマガご案内はこちら

閉じる