皆さん、突然ですが、
不断何気なく食べているものの中にも、
老化を促進する物質が
含まれていることをご存じでしょうか??
そんな物質の研究を25年にわたって
続けてこられた久留米大学の山岸教授に
驚きの研究結果を語っていただきましょう!!
「老化防止への新たな光明」
山岸昌一(久留米大学医学部教授)
※
『致知』2015年11月号
特集「遠慮」より
【山岸】
ここ二十五年の研究から、糖と蛋白とが結びついてできる
AGEが老化に関わることが分かってきました。
AGEを減らすか、
もしくは体内に溜まらないようにすれば
病気の進行を阻止できます。
また、老化のスピードを抑えて若々しく
溌剌とした人生を送ることも可能となるのです。
(略)
AGEは糖尿病など血糖値が高い人ほど
体に溜まってきますが、
食べ物やタバコからも体内に
取り込まれることが分かってきました。
つまり、食べ物をどう組み合わせて、
どういった方法で調理するかが
とても重要になってくるんです。
(略)
最近は、カツ丼やラーメンなど
日頃よく食べているものにどのくらい
AGEが入っているかを計測して、
どんな食の組み合わせであればAGE量を
許容範囲内に抑えられるかを研究しています。
食材を焼いたり焦がしたりするほど
AGEは多くなりますから、
例えば、うどんとピザを比較すると、
ピザのほうが百倍もAGE量が多いわけです。
しかし、
大事なのは
個々の値に振り回されることではなく、
一か月をトータルで見て
一日平均が許容範囲を下回るように
食事を工夫できるかどうかです。
それに三度の食事をきちんとゆっくりと食べる、
タバコは吸わない、深酒をしない、
睡眠時間を確保する、食後は二、三十分運動する、
ネバネバした食材や繊維質のものを
ご飯よりも先に食べる、といったこともすべて
AGEを抑える対策に?がります。
逆の見方で言えば、
生活習慣が乱れた人ほど年不相応に
AGEが溜まり老けやすい傾向にあります。
タバコを吸う、朝食を抜く、
ファーストフードや加工品を好んで食べる、
甘い物好き、睡眠不足、大量の飲酒……。
これらはすべて老化のリスクとなります。
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この後、山岸教授がAGE(終末糖化産物)研究を
始めるに至るまでのお話しなど、
とても興味深いエピソードが満載です!
そんな山岸教授は最後に
今回の特集テーマであった
「遠慮――遠きを慮る」
について、こうおっしゃっておられます。
私は若い頃病気になったせいか、
怠惰に時間を過ごすことに
申し訳ない気持ちを感じてしまいます。
ひと時も無駄にせず、勤勉に
堅忍不抜の精神で医学や医療に取り組む。
これが、
私にとって「遠きを慮る」ことにもなるのです。
その他、老化防止に繋がる最新情報は、
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