父からの手紙/勇躍せよ、突破せよ


Ω あなたの人間力を高める Ω
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致知出版社の「人間力メルマガ」 2016.7.16


世界23か国に広がる
少林寺流空手道「錬心舘総本山」
第二代宗家・保巖さん。

今日の発展を築いた原点ともいえる、
慈愛に溢れる「父からの手紙」とは──。

────────[今日の注目の人]───

★ 父からの手紙 ★

保 巖(国際少林寺流空手道連盟会長)

※『致知』2016年8月号【最新号】
※特集「思いを伝承する」P38

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──継ぐことを決心されたのは
  いつ頃でしたか。


父の意を受けて、その2か月後に
単身フィリピンに渡った時ですね。

当時私は大阪の大学に
通っていたのですが、父から


「フィリピンのバギオ大学から
 空手の指導の要請が来ているけど、
 おまえ行かないか」


と話をいただき、
私は喜び勇んで渡航しました。


ところが、英語の勉強もせずに
行ったものですから、
言葉が全く通じない。

その上、所持金を全部
盗まれてしまったのです。

もうここではやっていけない、
どうやって生きていけばいいんだと
完全に意気消沈していた時に、
父からの手紙が届きました。


「君を空港まで見送りに行かなかったが、
 飛び立つ飛行機に向かって、
 道場の屋上から日の丸の旗を
 振ったのが君に見えただろうか?

 古今東西、人種職業の別なく、
 人は等しく愛別離苦の悲しみを
 味わって強くなり、
 成長していくものだ。

 異郷の地で一人辛いだろうが、
 頑張りたまえ!」


慈愛に溢れる手紙は便箋5枚に及び、
ロマン・ロランの

「勇躍せよ、突破せよ、
 汝男なればなり!」

の力強い言葉で結んでありました。



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読みながらもう涙が溢れ出てきました。

実は出発前、地元の新聞社から
インタビューを受けたり、
たくさんの人に見送られて、
ついいい気になっていました。

何もできないくせに。

飛行機の窓から我が家を見て
「親父、行ってきます」と心の中で
思う気持ちさえなかったのです。


何という親不孝者だと、
その手紙を読んで
初めて気づかされました。

その時に、父の思いを継いで、
空手を一生やっていくと決心したのです。


──お父様の手紙が
  大きな転機になったのですね。


まさにそうですね。父の手紙に奮起して…



※「困難と戯れよ」という
 言葉を糧に、世界中に空手道を
 広めていった保さん。
 その気迫に満ちた歩みは
 本誌でお楽しみください。

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