2016年05月22日
臨床心理士の皆藤章さんは、長年
生きる苦しみを抱えた人たちの声に
静かに耳を傾けてこられました。
時に死の危機に直面するほどの
苦しみを抱えた人たちもいます。
皆藤さんはそういう人たちに、
どのようにして生きる希望や勇気を
与えてこられてのでしょうか。
────────[今日の注目の人]───
★ 出会いを生かし、ともに関を越える ★
臨床心理士・皆藤 章
※『致知』2016年6月号【最新号】
※特集「関を越える」P54
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「先生、私に生きていける
言葉をください」
遠い南米のある地から
手紙が届きました。
途方もない人生の傷みを抱えながら
面談に通って
こられていた方からでした。
制止を振り切り、
ある日その方は死出の旅とも言える
決断をしたのです。
自尊心を剥奪される過酷な生活が
綴られた手紙の、
最後にこの言葉が記されていました。
ゆっくり返事を
考えている場合ではない。
しかし、
その方の心に届く言葉が不可欠だ。
夜通し考えました。
夜が明けた時、
私に語れる言葉はこれだけでした。……
※およそ半年後、
その方は無事に帰国されました。
そして、
「先生の言葉を毎日、
念仏のように唱えて生きていました」
とおっしゃっていたといいます。
皆藤さんの一言が絶望の淵にあった
一人の人生を救ったのです。
皆藤さんのひと言とはどのような
ものだったのでしょう。