2017年06月07日
エーデルワイス会長・比屋根毅さんを
師と仰いでこられた牧野眞一さん。
弟子のあるべき姿とは何か。
その答えを、牧野さんの歩みが
雄弁に物語ってします。
───────「今日の注目の人」───
比屋根 毅(エーデルワイス会長)
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牧野 眞一(ムッシュマキノオーナシェフ)
※『致知』2017年7月号
※特集「師と弟子」P24
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【牧野】
会長のもとには約20年
いさせてもらいましたけど、
私はその間、会社で働いた
という意識はありませんでした。
会社員としてひと月
働いて給料をもらうとか、
そんなことは一度も思ったことがない。
ですから、仮に給料が
よその半分しかなくても、
気にもならなかったでしょう。
もう気持ちは会長にベッタリで、
会長が長期間ヨーロッパに
出張に行かれたりして不在になると、
どうも調子が狂うんですわ(笑)。
もっとも、海外には他の
スタッフよりもたくさん
連れて行ってもらいましたけども。
【比屋根】
あなたからそんな話を
聞くのは初めてだ(笑)。
【牧野】
とにかく、きょうもまた会長に会える、
きょうは会長からどんなことを
言っていただけるんやろうかと、
それが楽しみで毎日お店に出ていました。
もちろん叱られるかも分からんけど、
それも含めて楽しみだったんです。
だけどいま振り返ると、
会長がおっしゃることは
滅茶苦茶でしたね。
普通の人だったら「えっ?」て
顔をしかめるようなことを
平気でおっしゃる(笑)。
でも弟子の私らとしては、
会長が白いものを
「これ、黒だよな」
とおっしゃったら、
明日の朝までに黒に
しなければあかんわけでしょう。
会長はどういうことを
求めていらっしゃるんだろう、
と自分自身で懸命に考える。
そこからいい知恵が出たり、
創意工夫が生まれたりしてくるんですね。