「躾」という名の暴力、虐待

幼少期から実母と継母による壮絶な虐待を受け、
一度は自ら命を絶とうとした島田さん。
その壮絶な虐待を生き抜いた島田さんの
足跡が克明に語られています。



島田 妙子(オレンジCAPO理事長)
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※『致知』2018年3月号【最新号】
※特集「天 我が材を生ずるに 必ず用あり」P34

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私の原点を探ると、4歳まで遡ります。その年に両親が離婚し、
私と二人の兄(大兄、小兄)は児童養護施設に預けられることになりました。

父は一緒に暮らす方法をずっと模索してくれたようで、
私が7歳の時に再婚すると、家族揃って暮らせるようになりました。

当時、継母は22歳。最初は優しい人でしたが、
お腹に父との子供を身籠ると次第に余裕を失い、自分が産んだわけでもなく、
年子で手が掛かる年齢の私たちの世話が億劫になったのでしょう。


(撮影:吉田 三郎)

その年の冬、溜まりに溜まったストレスが爆発しました。
突然、継母が靴ベラで私の二の腕を叩いたのです。
驚きのあまり声も出ず、叩かれたところをさすると、
さする指をさらに力いっぱい叩かれ、出血しました。
理由が分からない上に、継母の顔つきがいつもと違うことがただ恐ろしく、
私は涙が止まりませんでした。

(中略)

父と継母は絶えず喧嘩するようになり、
父の顔は次第に鬼の形相に変わって酒量も増えました。

そして継母からの「躾」が始まった1か月後、
父からも暴力を受けるようになったのです。
包丁を握った父に追いかけられ命からがら逃げたこと、
湯船に沈められて死にかけたことなどもあります。

それでも父の優しかった頃を知っているので、
いつか優しい父に戻ってくれるのではないか
という願いと希望だけで耐え抜きました。

その思いがあったので、誰かに助けを求めることもしませんでした。

 

※虐待を生き抜いた島田さんは、現在、児童虐待防止活動に
取り組まれています。今日に至るまでの過程については、
明日も引き続きご紹介します。

 

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