日本が世界に誇る大麻の力で地球問題を解決する(ヘンプイノベーション・菟田中子)

違法な薬物というイメージが強い「大麻」。しかし、日本人は古来、大麻と共に生き、大麻を衣食住、様々な分野で活用してきた民族だったのです。そんな大麻の力、大麻文化を現代に蘇らせるべく奮闘しているのがヘンプイノベーション社長の菟田中子さんです。菟田さんが語る日本人と大麻の関係、そして地球課題を救う可能性とは――。

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日本人は大麻と共に生きてきた

「大麻」と聞くと、多くの方が「違法な薬物」「危険なもの」というネガティブなイメージを思い浮かべることでしょう。しかし主に繊維採取を目的として栽培されてきた日本の大麻草には、マリファナのような麻薬成分はほとんど含まれておらず、古来、日本人は麻と共に生きてきた民族で、日本人の生活には衣食住あらゆるものに麻が使われていました。

例えば、衣服。大麻草は3か月ほどで高さ3〜4メートルまで成長しますが、その茎を剥いで取れる繊維は非常に丈夫で、日本人は麻の繊維から麻糸を績(う)み、麻布を織り、着物を仕立てるのです。

福井県三方郡の縄文時代草創期(1万5000年~1万2000年前)の鳥浜遺跡から、麻縄を人の手で編んだとされる遺物が出土しています。1万年以上前ですから、なんと稲作が入ってくる前から日本人は麻を道具として活用していたのです。

それから、住居にも麻は欠かせません。麻茎から繊維を剥いだ後に残る木質部を麻殻(オガラ)と呼びますが、これは丈夫なだけではなく非常に軽く、中が空洞になっているため、空気層ができて保温効果も高いのです。ですから、日本の伝統的な住居である茅葺屋根の最下層に大量のオガラを使用してきました。

麻は壁材にもなります。漆喰壁は消石灰と麻スサ(繊維を剥いだ後のクズ)を水で練ったものです。オガラやクズまで捨てずに有効活用する。ここに、自然と共生する日本人の知恵を見る思いがします。

また、麻は日本人の食と農とも密接に関わってきました。あまり知られていないかもしれませんが、七味唐辛子に入っている一番大きな粒は、麻の種子「麻の実」なのです。麻の実は八穀(稲、きび、大麦、小麦、大豆、小豆、粟、麻)の一つに数えられるほど日本人にとって身近な食材です。

近年、麻の実はオメガ3や必須アミノ酸、タンパク質などが豊富に含まれる「スーパーフード」として注目を集めていますが、日本人は昔から当たり前のように食べていたのです。

さらに、神道や仏教においても大麻は重要な役割を果たしてきました。例えば、神事などの際、神職の方は清浄の証として精麻を頭に結わえます。現在は紙垂(しで)に代替されることが多くなっていますが、祓はらい具も「大おお麻ぬさ(大幣)」と呼ばれるように、もともとは精麻が取り付けられていました。

また、神社が頒布するお札がいまでも「大麻」と呼ばれるのは、かつてお札の中に大麻の繊維が入れられていた、あるいは繊維の紐ひもで括くくられていたからだと言われています。現在、年間800万体頒布されている伊勢神宮のお札が「神宮大麻」と呼ばれているのもそのためです。

神事である大相撲でも、横綱が締める綱には精麻が使われています。NHKが毎年精麻にサラシを巻いて綱をつくる様子を報道していますので、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。

仏教においても、お盆の迎え火・送り火はオガラで火を焚たきますし、動物に見立てるナスやキュウリの足にもオガラが使われています。そのように、大麻は日本人の衣食住、伝統文化と切っても切り離せない関係にあるのです。


◎日本人の文化に深く根付いていた大麻。その生産は戦後、激減したといいます。その理由とは――。
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★(本記事は『致知』2024年6月号連載「意見判断」に掲載された記事の一部を抜粋・編集したものです)

◇菟田中子(ヘンプイノベーション社長)
昭和47年東京都生まれ。平成233月東日本大震災を機に石巻で復興支援活動に従事、翌年に特定非営利活動法人メディアージを設立し、理事長に就任。257月から国会議員秘書を6年務め、令和元年7月より伊勢麻の栽培に従事する傍ら、一般社団法人伊勢麻振興協会・社員、一般社団法人麻産業創造開発機構・理事として、日本の大麻生産の規制緩和を求めてロビー活動を展開。4年よりヘンプイノベーション株式会社取締役、翌年現職に就任。5年産業用大麻の企業間プラットフォーム「HEMP HUB」を主宰。

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