【取材手記】ふるさと納税受入額で5度の日本一! 宮崎県都城市市長・池田宜永が語った「組織を発展させる秘訣」

~本記事は月刊誌『致知』2025年8月号 特集「日用心法」に掲載のインタビュー(「当たり前を当たり前に 都城フィロソフィで日本一の市役所を目指す」)の取材手記です~

都城市の躍進を支えるもの

ふるさと納税受入額で5度の日本一に輝く宮崎県都城市。宮崎県と鹿児島県の県境に位置し、宮崎県では2番目に多い約16万人の人口を擁します。

名産の都城産宮崎牛を筆頭に、牛豚鶏肉の総産出額は日本一を誇ります。また、上質な地下水と温暖な気候で育った芋や米からつくられる焼酎でも知られ、焼酎売上高日本一の霧島酒造が本社を構えるなど、日本一の肉と焼酎を誇る美食の都として、多くの人々に親しまれています。

同市を牽引するのが、現在4期目を迎える池田宜永市長です。池田市長は2012年の就任以来、前例主義が蔓延する市役所内の意識改革を断行し、市民サービスの向上に心血を注いできました。その改革の原動力となったのが、独自に編み出した行動指針「都城フィロソフィ」だといいます。

池田市長はいかにして市政の道なき道を切り拓いてきたのでしょうか。そこから見えてくる組織を発展させる要諦とは――。

月刊『致知』最新号(2025年8月号)特集「日用心法」に池田市長のインタビュー記事が掲載されています。テーマは「当たり前を当たり前に 都城フィロソフィで日本一の市役所を目指す」です。

池田宜永(いけだ・たかひさ)
昭和46年宮崎県生まれ。九州大学経済学部卒業。東京大学大学院経済学研究科修了。平成6年大蔵省入省。財務省主計局主査、都城市への出向を通じて副市長などを歴任。24年より都城市長に就任。現在4期目。「自治体経営」を掲げ、市の発展や住民の安心・安全確保に努めている。

「『致知』は、心を鍛えて人間力を高めるためのエッセンスに満ち溢れている」

池田市長は6月3日(火)、忙しい合間を縫って取材のため致知出版社に足を運んでくださいました。そして開口一番にこうおっしゃいました。

「『致知』に取材いただけることは、この上ない喜びです」と。

実は、池田市長は19年の長きにわたって弊誌を愛読してくださっています。取材後には改めて「『致知』に掲載されるということは、愛読者である私にとってこれほどの誉れはなく、本当にありがたく、嬉しく思っております」と、並々ならぬ思いを熱く語ってくださると共に、「市長をやってきて本当によかった」と、心情を吐露される姿が印象的でした。

なお、『致知』愛読者である池田市長から今回特別にコメントをお寄せいただいたので、ご紹介します。

「人間とは自分の心で動く生き物であり、社会とはその人間によって構成されている。故に、我々一人ひとりが、自らの心を鍛えて人間力を高めていくことが、最終的には社会をより良いものにしていくと、私は信じている。

『致知』に出会って19年。『致知』は、心を鍛えて人間力を高めるためのエッセンスに満ち溢れている。令和の時代だからこそ、人間の本質を学ぶことができる『致知』を、数多くの方に読んでいただきたい」

取材では75分間にわたり、都城市長就任の経緯や「都城フィロソフィ」誕生秘話、いかにしてふるさと納税日本一を実現したのかを語っていただきました。本記事では全5ページにわたって、そこで語られた内容を一つひとつ詳らかに紹介しています。

 ↓ インタビュー内容はこちら!
◇日本一の肉と焼酎を誇る美食の都
◇自治体経営で市民の幸福と市の発展を実現する
◇人生の転機となった副市長の経験
◇一年間侃々諤々議論を重ね「都城フィロソフィ」策定
◇地道な発信の積み重ねがゴールへの一番の近道
◇かくしてふるさと納税日本一を実現した
◇人間力とは当たり前を当たり前にやること

職員に「また同じ話か」と思わせれば勝ち

都城市の躍進を語る上で欠かせないのが、池田市長と職員の方々が独自に編み出した30項目からなる行動指針「都城フィロソフィ」です。

「この都城フィロソフィは、まさに私の考えそのもの。一生大切にしようと思っています」。池田市長がそう語ったように、都城フィロソフィには「あいさつがすべての基本」「結果にこだわる」といった人生と仕事を発展させる秘訣が凝縮されています。

池田市長はなぜ京セラ創業者・稲盛和夫氏の「京セラフィロソフィ」に惹かれたのか、また都城フィロソフィにどのような思いを込めたのか。その全貌はぜひ本誌をお読みいただきたいのですが、ここでは池田市長のリーダーとしての信条についてご紹介します。

「都城フィロソフィを浸透させるために、日々心懸けていることはありますか?」と質問を投げかけると、池田市長は迷うことなくこうおっしゃいました。

それはたった一つ、リーダーである私が根気強く、何度も職員に直接伝え続けることです。

池田市長は年に10回以上は職員研修の場に都城フィロソフィの内容や考え方について直接話をしに行きます。さらに、研修後の職員の感想文を読み、この項目は伝わっている、この項目は伝わっていないなと確認し、伝わっていない項目は折を見て話すといいます。

要は、職員に「また同じ話か」と思わせれば勝ちですよね。

根比べみたいな話ですけど、職員が「またか」と辟易しているということは、私の思いが頭に残り始めた、フィロソフィが浸透してきた証かなと。職員に嫌がられるまで繰り返し説き続けることで、感化された職員が1人、また1人と増えていき、利他の精神が広がると信じてやってきました。

この効果は明らかで、都城フィロソフィの導入から丸6年が経過した現在では、市民から「職員の皆さんが元気に挨拶してくれるようになった」「受付の対応が変わった」といった声が多く寄せられるようになったといいます。

急がば回れで、一見遠回りのように思える地道な発信の積み重ねが、ゴールに辿り着く一番の近道なのではないでしょうか

一見遠回りのように思える地道な発信の積み重ねが、ゴールへの一番の近道――含蓄に富んだ教えです。

これ以外にも、本インタビューには池田市長が市政の道なき道を切り拓いてきた歩みを通して掴んだ、組織を発展させる要諦が満載です。ぜひお読みください。

『致知』2025年8月号 特集「日用心法」
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