2025年05月18日
営業成績全国最下位、左遷、うつ病……。数々の辛酸を嘗めながらも、一大金融企業・SBIグループの子会社の社長にまで上り詰めた横山信治氏。氏の成功の秘訣は、独自に編み出した「運の法則」にあるといいます。その原点となった若手営業マン時代の実体験を振り返っていただきました。(本記事は月刊『致知』2025年4月号 特集「人間における運の研究」より一部抜粋・編集したものです)
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不平不満は何の果実も生まない
私は40年を超えるビジネス人生の大半を営業の仕事に費やしてきました。しかし、日本信販(現・三菱UFJカード)で住宅ローンの営業をしていた20代後半の頃、全国2,000人の営業マンの中で成績最下位という不名誉な記録を打ち立てたことがあります。
当時は私と同じく予算未達成の同僚と毎晩のように飲み歩いていたものです。「あいつはいい顧客ばかり横取りする」「あんな欠陥商品が売れるはずない」等、上司や成績上位の同僚、自社商品に対する不平不満で盛り上がり、溜飲を下げる。その場は楽しいものの、帰宅時には何とも言えない虚しさが込み上げていました。
そんなある日、偶然目に飛び込んできたのは「誰もが明日から幸せになれる」と記されたセミナーの広告でした。藁にも縋る思いで参加したところ、「ほしいものの写真を机の前に貼ると目標が叶う」など、どこかで聞き覚えのある絵空事ばかり。胡散臭い内容に白けた気分で会場を後にしましたが、帰りの電車でもある一つの言葉が脳裏から離れませんでした。
「駄目なやつは駄目なやつ同士で愚痴を言っている。幸せになりたければ、幸せな人の傍にいけ」
愚痴ばかり零す私を見透かされたように思え、心に突き刺さる感覚を覚えたのです。このまま文句を言っていても、何も変わらない。一念発起し、成績上位の2人と昼食を共にすることにしました。
そこで彼らの話に耳を傾けていると、出てくる言葉の違いに驚きました。例えば、私たちが「あんなの売れっこない」とぼやいていた新商品を、彼らは「いままでになかった商品だから、新たな販路を開拓するチャンスだ」と捉えている。話題は常に前向きで、悪口や愚痴は一切出てこない。「私に足りていなかったのはこれだ!」と気づかされたのです。
物事のマイナスな面に焦点を当てるのではなく、ポジティブ思考に切り替わったことで、自ずと毎日の行動も変わっていきました。「闇雲に新規を回るよりも、大口取引先の拡大に専念したほうがいい」という彼らからの助言を素直に受け入れ、大口取引先を毎日2回訪問するようにしました。
ひたすら時間を懸けて何度も通い詰めることで地道に信頼を積み上げていき、取り引きは少しずつ増えていきました。その後もまるで見えない力に導かれるように幸運が重なり、半年後には全国1位の成績を記録したのです。
全国1位という結果は偶然の産物にすぎません。ただ間違いなく言えるのは、不平不満や愚痴を言っていると、ネガティブなエネルギーが働くということです。脳の思考回路までもネガティブに陥り、建設的なアイデアが浮かばなくなってしまう。不平不満や愚痴は何の果実も生まないのです。
~本記事の内容~
◇運はコントロールできるもの
◇不平不満は何の果実も生まない
◇人生は自分がリクエストしたものしか手に入らない
◇人の喜ぶことをして 人の嫌がることをしない
◇人間力を高め続けることが良運を招く
本記事では全4ページにわたって、横山氏の実体験と先人の実例を交え、運を引き寄せる要諦を解き明かしていただきました。横山氏が紐解く「運を引き寄せる考え方と行動の法則」から、人間力を養う大切さを教えられます。
【〈致知電子版〉では全文お読みいただけます。詳細は下記バナーをクリック↓】
◇横山信治(よこやま・のぶはる)
昭和34年大阪府生まれ。46年落語家・笑福亭松鶴に入門し、最年少プロ落語家としてテレビ、ラジオ、劇場に多数出演。57年日本信販(現・三菱UFJカード)入社。平成13年ソフトバンクファイナンス(現・SBIホールディングス)に転職し、日本初のモーゲージバンク・SBIモーゲージ設立に参画。21年SBIマネープラザ社長就任。28年グッドモーゲージを創業。著書に『「運が良くなる人」と「運が悪くなる人」の習慣』(明日香出版社)『めちゃめちゃ運が良くなる人づきあいの技術』(ぱる出版)など多数。
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