2025年05月05日
栃木県内に商圏を絞り、「地域一番化戦略」で圧倒的シェアを誇るサトーカメラ。同社副社長の佐藤勝人さんはビジネス書作家として12作目を出し、商業経営コンサルタント、Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」と情報発信を含め、全国各地の商工会議所で講演やセミナー、さらに企業や商店の現場へ出向いて個別支援をし、経営者育成塾「勝人塾」も主宰されています。
本連載ではそんな佐藤さんに、現代ビジネスマンから寄せられた悩みや胸の内の葛藤、さらには社会情勢までも「勝人節」でズバッと答えていただきます。
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失敗は人格を崩すものではなく人格を鍛える材料
大谷翔平選手を嫌う人がいるだろうか? 少なくとも私の周りには1人もいない。多分、皆さんも同じだと思う。もちろん世界記録という価値は絶大だけど、その土台となる人間力が卓越しているから好かれるのだろう。
その土台とは目標に向けて己を律する「自律」、高校時代から「目標達成シート」が有名だけれども、自らの夢を明確化し達成のために〝自分で決めて、自分で守る〟その姿勢こそ自律の典型だ。それを始原に失敗を恐れず挑む「胆力」、メジャー挑戦、二刀流に、世界記録に、MVP、WBCでの世界一。どれも常識では無理と言われる挑戦ばかり。
失敗を過度に恐れず、自らの信念で行動する強さ、失敗を自己診断の鏡として捉え、自分の限界や盲点を可視化し自己認識へと変換する。「反省ではなく内省」、なぜそうなったのか? どうすれば次は違う結果になるのか? を深く掘り下げる力。何度となく再挑戦する胆力を養い、逃げずに挑む姿、結果を恐れずに行動する、「内なる勇気」が信頼される人格づくりとなっている。
そして周囲を敬い自慢しない「謙虚さ」。インタビューでは常に「チームのおかげ」「自分はまだまだ」と語り、慢心や自慢が一切見えない。こんなに圧倒的な実績を持っていても、「自分を偉ぶらない」態度が実に素晴らしい。
さらに私生活も含めて模範となる「日常」。スキャンダルもなく、清潔感、礼儀、誠実さ、プライベートを含めて一貫した姿勢を保つこと、見られていないときこそ本当の〝修養〟が問われていることを体現している。
仲間と共に勝つ喜びを知る「共育」、WBC決勝での名言「憧れるのをやめましょう」には、自分と仲間を信じて挑戦する気持ちが込められていた。自分ひとりではなく「共に高め合う」そのものが修養の成熟したカタチであり、孤高の道ではなく「共に育つ道」でもあり、その人間力を鍛える実践が修養だ。それを言葉で語るのではなく、日々の実践で体現している。
失敗は人格を崩すものではなく人格を鍛える材料であり、失敗を恐れ避けるよりも、失敗を生かせる自分を育てることが「修養の核心」だということを大谷翔平選手から学ばせていただいている。
このように、彼は私たち日本人が一番大切にしてきた人間力(人と共に生きる力を高める)の体現者として世界中に啓蒙してくれている。だからこそ、応援せずにいられないのが私たちの本音だと思う。Don’t miss it
◇佐藤勝人(さとう・かつひと)
サトーカメラ代表取締役副社長。日本販売促進研究所.商業経営コンサルタント。想道美留(上海)有限公司チーフコンサルタント。作新学院大学客員教授。宇都宮メディア.アーツ専門学校特別講師。商業経営者育成「勝人塾」塾長。(公式サイト)
栃木県宇都宮市生まれ。1988年、23歳で家業のカメラ店を地域密着型のカメラ写真専門店に業態転換し社員ゼロから兄弟でスタート。「想い出をキレイに一生残すために」という企業理念のもと、栃木県エリアに絞り込み専門分野に集中特化することで独自の経営スタイルを確立しながら自身4度目となるビジネスモデルの変革に挑戦中。栃木県民のカメラ・レンズ年間消費量を全国平均の3倍以上に押し上げ圧倒的1位を獲得(総務省調べ)。2015年キヤノン中国と業務提携しサトーカメラ宇都宮本店をモデルにしたアジア№1の上海ショールームを開設。中国のカメラ業界のコンサルティングにも携わっている。また商業経営コンサルタントとしても全国15ヶ所で経営者育成塾「勝人塾」を主宰。実務家歴39年目にして商業経営コンサルタント歴22年目と二足の草鞋を履き続ける実践的育成法で唯一無二の指導者となる。年商1000万〜1兆円企業と支援先は広がり、規模・業態・業種・業界を問わず、あらゆる企業から評価を得ている。最新刊に『地域密着店がリアル×ネットで全国繁盛店になる方法』(同文館出版)がある。Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」でも情報発信中。
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