いかに〝負けない人生〟を実現するか——『不敗の人生をつくる言葉』の著者・井上裕之氏に聞く

世界レベルの治療技術を持つカリスマ歯科医であり、潜在能力開発の第一人者である井上裕之さん。現在、本業である歯科医(いのうえ歯科医院)の傍ら累計140万部を越える書籍の出版や講演会など、多方面にわたる精力的な活動を続けておられます。そんな井上さんですが、過去には突然の交通事故により愛する伴侶が生死の境をさまようなど、人生の絶望と悲しみを経験しています。

いっそこのまま死んでしまいたい――絶望の中で井上さんが光を見出すきっかけになったのが、まさに先人たちの言葉であり教えでした。自己啓発・成功哲学に関係する書物やセミナーに学ぶことによって、井上さんは再び生きる力を取り戻していったのです(『致知』2023年8月号掲載記事「奇跡を起こす心の法則~逆境が教えてくれたこと~」をご覧ください)。

この1月、その井上さんによる新著『不敗の人生をつくる言葉-逆境を乗り越えるための99の金言』が弊社から出版されました。本書には、井上さんが厳選した、すべての出来事をプラスに解釈し、潜在意識を働かせて積極的ポジティブに生きるための古今東西の偉人、経営者、哲学者、思想家などの99の名言が掲載されています。本書を紐解けば、必ずや人生・仕事の逆境を突破する言葉に出逢えることでしょう。

発刊以来、続々と反響が寄せられている本書はどのように制作され、どのような思いが込められているのでしょうか。井上さんにお聞きしました。

「不敗の人生をつくる言葉」刊行の背景

――まず『不敗の人生をつくる言葉―逆境を乗り越えるための99の名言』を出版しようと思われたきっかけを教えてください。

《井上》
私はこれまで世界中の自己啓発や名経営者の経営哲学などを勉強してきました。その中で、一つの時代をつくってきた人物の教え、言葉というのは、やはり私たちの心を励まし、鼓舞する非常に大きな力を持っています。しかし、最近の若い世代は、優れた人物から学ぶ、本を読むということをだんだんしなくなっています。それは残念なことです。

それに、どんなに素晴らしい言葉も、言葉それだけではなかなかピンときませんし、心にも響いてきません。
 
であるならば、私が自分自身の体験を織り交ぜながら優れた先人たちの言葉を分かりやすく紐解き、もっと多くの人たち、特にいまの若い人たちに伝えたいと思ったんです。発見されずに眠っている宝のような言葉の数々と人々との〝つなぎ役〟になりたい。これが今回の出版に至った最も大きな理由です。

――本書を制作する上で最も苦労したことは。

《井上》
この本には99人の名言が掲載されていますが、既にある名言集などからとってきたのではありません。その人物の発言、書物やインタビューなどを渉猟して、私自身の心に響いてきたものを厳選して掲載しているんです。

しかも致知出版社の担当編集者の方からは「言葉の出典が明確でないと載せられません」と(笑)。ですから、出典も含めて99の名言を選ぶ作業はとにかく大変でした。でも大変だった分、私だけの完全にオリジナルの名言集ができあがったと言えます。
 
――読者の方の心に届きやすいよう、工夫したことはありますか。

《井上》
いまの若い人たちにも届きやすいよう、先人の名言を自分の体験を通じて分かりやすく紐解くことは一番力を入れたところです。ただ、自分の体験だけで終わらせてしまうと、ともすれば独りよがりになってしまうかもしれません。

そこで、名言の持つ力、普遍性を最新の行動経済学や心理学を使って客観的に解説することをできるだけ意識しました。名言そのもの、私の体験による解説、そして最新の科学知による分析。一つの名言を三段階方式で深く味わい理解できる点が、この本の大きな特徴であり、魅力です。

――ちなみに、井上さんご自身はどの名言が特に思い入れがありますか。

《井上》
どれも素晴らしい言葉で、それぞれに思い入れがあります。いまぱっと選ぶとすれば、83頁で紹介している共和電業元社長の星淑夫さんの言葉、「いまを、がんばる」でしょうか。

若い人と話す時に、私が自分の体験からよく伝えているのは、いまを精一杯頑張ることの大切さです。私も突然交通事故にあい、妻が生死の境を彷徨う大怪我を負い、長い闘病生活を余儀なくされるなど、人生の絶望を経験しました。人は明日どうなるか分からない、もしかしたら明日死ぬかもしれない存在であることを、身をもって体験したんです。
 
だからこそ、いまを精一杯生きなければいけないし、後悔しない生き方をしていかなくてはいけないと。その思いでいまこの時を全力で生きているからでしょうか、私は皆からいつも元気ですねとか、バイタリティ―に溢れていてすごいですね、とか言われるんだと思います。

もう明日はないくらいの気持ちで生きる、いまこの時を全力で頑張ることが充実した人生と未来を創るのだと信じています。

2025年の1月31日(金)19時からTSUTAYA BOOKSTORE MARUNOUCHI(丸の内)で、井上裕之さんのトークイベント&サイン会が開催されました。

これから本書を手に取る読者の方へ

――最後にこれから本書を手に取る読者の方へメッセージを。

《井上》
繰り返しになりますが、時代をつくってきた先人の言葉には、やはりそれぞれに重みがあります。そういう言葉の重みをぜひ私の体験談を通じて、あるいは科学知の分析を通じて一人でも多くの人に受け取っていただきたいですし、自らの生きる力に変えていってほしいと思っています。

私も人生のどん底の時に、先人たちの言葉に出合い、励まされて立ち直り、いまがある。人生は、完全に負けてしまわない限り、必ずまた復活できるんです。ですから、勝つことはもちろんですが、何よりも「負けない」ことが人生では大事なんですね。この本のタイトルにあえて「不敗」とつけたのもそのためです。

ぜひ本書の名言から、あなたなりの「不敗の人生をつくる言葉」を得ていただき、充実した幸せな人生、仕事を実現していただきたい。そう願っています。


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◇井上裕之(いのうえ・ひろゆき)
昭和38年北海道生まれ。東京歯科大学大学院修了後、ニューヨーク大学など海外大学で研鑽を積み、平成6年帯広に「いのうえ歯科医院」を開業。歯学博士、経営学博士、東京医科歯科大学、ニューヨーク大学など国内外7大学で役職を務める。自動車事故を契機に、歯科医の傍ら自己啓発、成功哲学の研究にも取り組み、世界的な能力開発・経営プログラムを学ぶ。自己啓発に関するセミナーや講演会を全国で開催。世界初のジョセフ・マーフィー・トラスト公認グランドマスター。『自分で奇跡を起こす方法』(フォレスト出版)『人生の黄昏を黄金に変える「賢者のかけ算」』(サンマーク出版)『1日1分中村天風』(青春文庫)『1日1分蓄財王・本多静六の金言』(さくら舎)など著書多数。

各界一流プロフェッショナルの体験談を多数掲載、定期購読者数No.1(約11万8,000人)の総合月刊誌『致知』。人間力を高め、学び続ける習慣をお届けします。

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