【第3回】佐藤勝人 快刀乱麻を断つ 仕事と人生に役立つ実践的問答 ——「部下が指示待ち人間で困っています。どうすれば主体的に動くのでしょうか?」

栃木県内に商圏を絞り、「地域一番化戦略」で圧倒的シェアを誇るサトーカメラ。同社副社長の佐藤勝人さんはビジネス書作家として12作目を出し、商業経営コンサルタント、Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」と情報発信を含め、全国各地の商工会議所で講演やセミナー、さらに企業や商店の現場へ出向いて個別支援をし、経営者育成塾「勝人塾」も主宰されています。

本連載ではそんな佐藤さんに、現代ビジネスマンから寄せられた悩みや胸の内の葛藤を「勝人節」でズバッと答えていただきます。

【第1回】

【第2回】

▼独立、転勤、転職、昇進、第二の人生……この春、新たなステージに挑戦するあなたへ
『致知』の定期購読(1年12冊)をお申し込みいただいた方全員に、人生の伴侶となる書籍を特別にご用意しました。

~新生活応援キャンペーン開催中!(詳細は下記バナーをクリック↓)~

目的の明確化が主体的な行動を生む

「部下が受け身の指示待ち人間、指示したことしかやろうとしません。主体的に仕事に向き合ってもらうにはどうすればよいでしょうか?」という質問をいただいた。

では聞きたい、もちろん仕事の性質にもよるだろうけれども、なぜ部下が指示待ちではダメなのだろうか? 指示したことをやってくれるのだからそれでいいじゃないか。もちろん、指示したことをやらないのでは論外だけれども。

では、もう一つ聞きたい。部下が主体的に動いてくれた結果、指示以外のことを勝手にやってもらって困ることはないだろうか? ここで考えられることは、仕事の内容にも「ノーミスを求める仕事と、チャレンジを期待する仕事がある」ということだ。

そこでの問題は、部下がチャレンジすれば失敗や間違いを起こすのは当然だ。その時に「間違いが起きた」という問題の指摘よりも「間違いをいかに早く直すか」というところに焦点を当てていかないと、「トラブルが起きたことが問題だ」という上司の下ではトラブルが起きた時に隠したくなるだろう。そういう視点で考えると、指示された仕事だけをやることは間違えるリスクも少なくトラブルもない。では、あなたが求めるような主体的に仕事をこなして欲しいという期待は何なのだろうか?

要は、目の前の指示待ち人間という一個人の問題ではなく、会社の秩序や上司の気質、仕事の内容から生まれるものだということを知ってもらいたい。ノーミスを求める仕事に対して感覚的に勝手に処理されても困る。ということは、あなたの指示に目的や目標が明確ではないということが考えられる。仕事に対する主体性を持たせるためには、あなたの指示にも目的を明確に伝えることが不可欠なのである。

目的が共有されることで、部下は自分の役割や目標を理解し、主体的に行動する意義を感じられるようになるだろう。そのために、部下と対話を持ち意見や考えを積極的に聴くことも重要。オープンなコミュニケーション環境を築くことで、部下は自分の考えを表現しやすくなり主体的に行動する意欲が高まってくる。

さらに、主体的に仕事に取り組めるようにするためには小さな成功体験を積み重ねる機会を与えること、自分自身の能力を信じ積極的に新しい課題に挑戦したくなる道筋を立ててあげることが重要。仕事の結果に対してフィードバックを行い、自分の強みと改善点を理解させ成長するための具体的な指針を持たせること。

また、ポジティブなフィードバックはモチベーションを高める効果があるので、主体的に仕事に向き合うためには日々のサポートが欠かせない。そうやって働きがいのある環境作りを、あなたが実践することで部下の意欲を引き出しチーム全体の生産性と士気を高めることができる。これらのアプローチを実践することで、受け身な姿勢から脱却させ、主体的に仕事に取り組む社会人へと育てていくのも、あなたの仕事の中の一つではないだろうか。 Don‘miss it


◇佐藤勝人(さとう・かつひと)
サトーカメラ代表取締役副社長。日本販売促進研究所.商業経営コンサルタント。想道美留(上海)有限公司チーフコンサルタント。作新学院大学客員教授。宇都宮メディア.アーツ専門学校特別講師。商業経営者育成「勝人塾」塾長。(公式サイト)
栃木県宇都宮市生まれ。1988年、23歳で家業のカメラ店を地域密着型のカメラ写真専門店に業態転換し社員ゼロから兄弟でスタート。「想い出をキレイに一生残すために」という企業理念のもと、栃木県エリアに絞り込み専門分野に集中特化することで独自の経営スタイルを確立しながら自身4度目となるビジネスモデルの変革に挑戦中。栃木県民のカメラ・レンズ年間消費量を全国平均の3倍以上に押し上げ圧倒的1位を獲得(総務省調べ)。2015年キヤノン中国と業務提携しサトーカメラ宇都宮本店をモデルにしたアジア№1の上海ショールームを開設。中国のカメラ業界のコンサルティングにも携わっている。また商業経営コンサルタントとしても全国15ヶ所で経営者育成塾「勝人塾」を主宰。実務家歴39年目にして商業経営コンサルタント歴22年目と二足の草鞋を履き続ける実践的育成法で唯一無二の指導者となる。年商1000万〜1兆円企業と支援先は広がり、規模・業態・業種・業界を問わず、あらゆる企業から評価を得ている。最新刊に『地域密着店がリアル×ネットで全国繁盛店になる方法』(同文館出版)がある。Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」でも情報発信中。 

▼独立、転勤、転職、昇進、第二の人生……この春、新たなステージに挑戦するあなたへ
『致知』の定期購読(1年12冊)をお申し込みいただいた方全員に、人生の伴侶となる書籍を特別にご用意しました。

~新生活応援キャンペーン開催中!(詳細は下記バナーをクリック↓)~

人間力・仕事力を高める
記事をメルマガで受け取る

その他のメルマガご案内はこちら

『致知』には毎号、あなたの人間力を高める記事が掲載されています。
まだお読みでない方は、こちらからお申し込みください。

※お気軽に1年購読 11,500円(1冊あたり958円/税・送料込み)
※おトクな3年購読 31,000円(1冊あたり861円/税・送料込み)

人間学の月刊誌 致知とは

閉じる