前人未踏〝ソロコンサート4,600回超〟 さだまさしが大切にしてきた「あいうえお」で始まる人生の5大要素

昨年(2023年)デビュー50周年を迎えた日本を代表するシンガー・ソングライターさだまさし氏。幾多のヒット曲を生み出し、これまでに積み重ねてきたソロコンサートは通算4,623回と、前人未到の記録を塗り替え続けています。小説家としても数々のベストセラーを手掛ける他、被災地支援のチャリティーコンサートなど社会貢献活動にも力を注ぎます。さだ氏はいかにして自身の運命をひらいてきたのか。親交の深い大和証券グループ本社名誉顧問の鈴木茂晴氏がその核心に迫りました。

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「あいうえお」で始まる、人生の5大要素

<鈴木>
聞くところによると、『無縁坂』は僅か6時間のうちに6曲つくった中の1曲だとか。

<さだ>
そう。「グレープ」の最後のオリジナルアルバムで、『無縁坂』『縁切寺』『19才』『哀しきマリオネット』『雲にらくがき』『フレディもしくは三教街』、この6曲を一晩で書きました。その日だけは天才的でしたね(笑)。

鈴木さんもそうだと思うんですけど、やっぱり運って大きいですよね。僕はもう本当に運がいいと思います。

<鈴木>
いや、運がすべてだと言っても過言ではありません。私が知っている財界の経営者で、「俺は運が悪い」と言う人は一人もいない。

<さだ>
ああ、それはそうでしょうね。運のある人って、神様にある程度助けられますよね。

<鈴木>
そうなんですよ。

私は社員にも時々言うんですけど、神様や天は見る眼を持っていて、誰にでも降りてこないよと。

のほほんと生きている人ではなくて、やっぱり苦労して一所懸命努力している人に天の恵みがある。

<さだ>
僕は20代の時に「あいうえお理論」というのを思いつきましてね。

母音って重要じゃないですか。それに「ん」をつけると、5つの大きな人生の要素になることに気づいたんです。

まず「あ」は「案」、アイデアでしょう。「い」は「因」、きっかけですよね。「う」はそれを救う「運」。「え」はそれを広げてくれる「縁」。「お」はそのことに対して「恩」を感じてお返しする。よし、これからの人生、「案、因、運、縁、恩」で行こうと。

<鈴木>
それはすごい発見ですね。

<さだ>
だから、それ以降は神社に行ってもお願い事をしなくなりました。「ありがとうございます」しか言わないです。

<鈴木>
もうこの人、運なんて要らないだろうと思うような人が一番運を大事にしているんです。これはとても重要なことですね。

<さだ>
考えてみたら、24歳の時に会社をつくり、いままで何十人という社員がいて、その家族も含めて皆を食べさせてきた。これは運がないとできません。本当に有り難いですよ。感謝しないといかんと思います。


本記事では、「人生で一番惨めだった20歳の挫折体験」「スピードとポジティブマインド」など、デビュー以前のご苦労や50年間で掴んだ人生の要諦、また、「『国とは国語なり』国語こそ教育の要」といった普段あまり語られることのない教育への思いを語る場面まで、さだ氏の魅力が余すところなく紹介されています。

◉『致知』2024年4月号 特集「運命をひらくもの」◉
対談〝「かくて運命の扉を
ひらいてきた」

さだまさし(シンガー・ソングライター、小説家)
鈴木茂晴(大和証券グループ本社名誉顧問)

 ↓ 対談内容はこちら!

◆チャリティーコンサートは恩返しのため
◆50周年の節目を迎えていま心に抱く思い
◆「国とは国語なり」国語こそ教育の要
◆人生で一番惨めだった20歳の挫折体験
◆故郷へ逃げ帰って僅か1年後にデビュー
◆常に明るく愚痴を言わず信じてくれた母親の存在
◆17歳でノイローゼにその自分への返事を書く
◆映画制作で多額の借金30年かけて完済
◆「偉大な人は批判者の数で高さを測ることができる」
◆スピードとポジティブマインド

〈致知電子版〉で全文お読みいただけます

◇さだまさし
昭和27年長崎県生まれ。48年フォークデュオ・グレープとしてデビュー。51年ソロ・シンガーとして活動を開始。『関白宣言』『北の国から』など多くのヒット曲を生み、コンサートも通算4600回を超える。小説家としても多くの作品が映画やドラマ化されるなど活躍は多岐にわたる。さらに公益財団法人「風に立つライオン基金」を設立し、被災地支援や助成事業も行っている。令和5年レコードデビュー50周年を迎え、今年5月からは全国コンサートツアー公演が決定している。

◇鈴木茂晴(すずき・しげはる)
昭和22年京都府生まれ。46年慶應義塾大学経済学部卒業後、大和證券入社。引受第一部長、専務取締役などを経て、平成16年大和証券グループ本社取締役兼代表執行役社長、大和証券代表取締役社長。23年大和証券グループ本社取締役会長兼執行役、大和証券代表取締役会長。29年日本証券業協会会長に就任(令和3年まで)。令和3年大和証券グループ本社名誉顧問に就任。

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