100年に1度の革命——SkyDrive社長・福澤知浩が語る〝空飛ぶクルマ〟開発の原点

大空を自在に飛んで、人々を瞬く間に目的地に送り届けてくれる〝空飛ぶクルマ〟──そんな未来の乗り物が、私たちの前に登場する日が近いとSkyDrive社長の福澤知浩さんは語ります。100年に一度のモビリティ革命に挑む福澤さんに、空飛ぶクルマの可能性を交えて、開発の醍醐味や、この事業に懸ける思いを伺いました。

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本気でやれば道は開ける

(──この事業を始める際には、周囲から「難しい」と随分反対されたそうですね。)

〈福澤〉
確かに、難しいことには同意です(笑)。

ただ、これはマラソン競技と一緒で、マラソンを走るのは大変だと思う人は競技に参加しないし、それでも挑戦したいという人は参加する。

100メートル走で10秒を切れと言われると世界で類稀なる才能を持っていないと難しいですけど、マラソンのゴールまで走ることなら工夫してチーム一丸で頑張ればできると思うんです。

本気でやれば道は開ける、というのが私の考えです。

(──空飛ぶクルマに着目されたきっかけは何だったのですか。)

〈福澤〉
大学を出てトヨタ自動車に勤務していた時に、若手の仲間たちと一緒に「CARTIVATOR(現・DreamOn)」という有志団体を立ち上げたのがすべての始まりでした。

そこで「何か面白い車をつくりたいよね」という話になって、100個くらいアイデアを出し合った中で、皆が一番ワクワクして、自分たちでぜひつくりたいと思えたのが空飛ぶクルマだったんです。

最初は、週末などを利用してボランティアで開発をしていたんですが、そこで試作した機体がうまく飛び始めたので、会社を立ち上げて本格的にやっていくことにしたんです。2018年、31歳の時でした。

(──一流メーカーを離れて独立を。思い切った決断でしたね。)

〈福澤〉
自分の中では、ようやく独立を果たせたなという思いでした。

子供の頃、『プロジェクトX』というドキュメンタリー番組で、困難な事業に挑戦して新しいものをつくり、世界の人を笑顔にする人々の姿を毎回夢中で見ていたんですが、ああいう大きなプロジェクトを動かすリーダーになれるのは、だいたい40歳を過ぎてからでしょう。

もっと早くそういう立場に立てたらなと考えて模索する中で、空飛ぶクルマにはそんな可能性があるじゃないかと気づいたわけです。

一緒に働いていた仲間もだんだん起業し始めて、それぞれうまくやっていたので、自分にもできるんじゃないかという思いもありました(笑)。

実際に独立したのは、当社を創業する少し前で、ものづくりに取り組む中小企業オーナー様やものづくりベンチャーの支援をしていました。

けれども一番面白いのはやっぱり空飛ぶクルマだと実感して、これに本気で取り組もうと思いました。


(本記事は月刊『致知』2022年1月号 特集「人生、一誠に帰す」より一部を抜粋したものです)

◉この他にも、福澤さんには「未来の乗り物がもたらす百年に一度の社会変革」「会社の成長は経営者の器次第」「十の心構えを信条として」など、自身の経験を通して得た仕事や人生の壁を突破する要諦を語っていただいています。前人未踏の開発に挑む揺るぎなき執念に、胸を熱くさせられるインタビューです。記事詳細はこちら

 

福澤知浩ふくざわ・ともひろ
昭和62年東京都生まれ。平成22年東京大学工学部精密工学科卒業。トヨタ自動車入社。26年有志団体CARTIVTORに参画。共同代表に就任し、空飛ぶクルマの開発を始める。29年独立。経営コンサルティング活動を経て、30年SkyDrive設立。代表取締役CEOに就任。

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